花言葉 (ページ30)

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ゼンリー…そんなもの交換するもんじゃないな
恋人と。

いやまじで便利なのよ、位置情報って。
大抵何時に帰ってくるかわかるし、
それに合わせて支度もできるし。

てかなんでふたりは交換してんのよ。
どんだけ仲良くなってんの。

私は竜生のゼンリーなんて知らないのに。
いや知らなくていいけどさ。

なるほどね〜、自粛期間中気持ちが冷めたのは
そうやって疑ってたからなのか。

他人から聞かされるほど残酷なことなんてないよ。

まあだからだからといって、よりを戻したいとか
別れたくなかったとか全然そんなんじゃない。

ただ、ほらなんかさ、後味悪すぎて。
後味悪いじゃん。

最後に会った方が良かったのにな。

あいつの責任じゃん。
考えてたらイライラしてきた。
なんだよ電話で別れようって勝手に勘違いして。

はぁ。ダメだ終わった事だし考えた分だけ無駄。
無駄だ無駄。

それから私は、颯太のことなんかまるで忘れて。
大学2年生ライフをかなり楽しんだ。
対面授業もそれなりに増えて
ダンスサークルの友達もいた。
周りにも、ジャニヲタと呼ばれる子達はいたけれど
あまり少年忍者のヲタクはいなかった。

春休みに、花束みたいな恋をした、を見て、
颯太が泣いていた話を聞いて、
竜生はあの日それを見たあとに私にあったんだな
と何となく理解した。

まあ全部どうでもいいけど。

それから数ヶ月すると、ママにサマステに誘われた。

今年は忍者単独よ！とかなり意気込んでいた。
最初は竜生だけを応援してたくせに、今は
檜山くん推しらしい。
あなたも来なさいと、
私の分のペンライトまで買っていた。
あなたはりゅうちゃん担当ね、オレンジだからといわれた。

本当に恥ずかしいし周りから見たら、
多分親だと思わるレベル。

なんでわたしが！！！！！！
と思ったけど仕方ないから行くことにした。

それなのに、7月の下旬竜生がコロナになった。

初日から竜生の出演は見合せ。

すごく家で隔離するのが大変だったと、
竜生のママが愚痴をこぼしていた。

私は結局、竜生のいないサマステに入ることになってしまった。