花言葉 (ページ27)

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今年はオンラインライブと重なって
2年記念日には会えなかった。

さすがにしびれを聞かせて、

夏休み1日だけでも少しだけ会えないかを
きいてみた。

そしたら、夏休みの終わりなら1日なら
いいよって言ってくれた。

なんだか、変わってしまったな。

昔の方が私がおわれる立場で
颯太が好き好きって言ってくれて
たくさん連絡もしてくれてたのに。

私ももっといえばよかったし、
私からも連絡すればよかったのかな。

颯太が忙しくなったらこうなるなんて
目に見えていたことなのに。

その日あってからも颯太はどこか疲れてて
無理してそうで不機嫌だった。

去年は用意してくれたプレゼントも
今年は一緒にご飯食べるくらいでいいよね。
と言われてしまった。

『颯太、サマパラ見たよ』

「おぉ。ありがとうーよかった？」

『うん。よかった。颯太と湧くんが振り付けしたやつ、わたし凄い好きなふりだったよ』

「ほんと？どのへんが？」

『サビ前かな、あの1人ずつ追いかけていく振りが良かった』

「そこ湧なんだよな〜」

『あ、そうなんだ、湧くんも上手だね』

なんだか気まずくなってしまった。前よりも。
本音で話すことが難しくなってきた。

『それとさ、花言葉、今年はできなかったんだね』

「花言葉？」

『去年はいってたじゃん！やるから見に来てって。有観客でできるようになったら見たいな〜私もあの歌すごく好き』

「そんなこといってたっけ、」

覚えてないんだ。そっか。

そこでなんかもう糸が切れた様な気がした。

颯太にはもう期待してはいけないような気がした。

なんとなく涙が止まらなかった。
もうなんかこの後どうなるとか考えてなかった。

「え、なんで泣いてんの」

颯太が驚いた顔でこちらを見た。

『ぜんぜん、わたしといても楽しそうじゃない』

呆れた顔をして彼は言った。

「じゃあお前は楽しいのかよ」

思いが滝のように口から言葉になって溢れた。
こんな経験は初めてだった。

『嬉しかったのに。颯太に久々に会えると思って、嬉しかったのに。でも颯太、私と会うことも息抜きになんかならないってことじゃん』

「そんなことないよ、じゃあ、楽しそうにすればよかった？」

『じゃあって何なの？さっきから』

「めんどくさい。もう。俺帰るから」

そういって、颯太は家を出た。
颯太にはそれきり会ってない。

後味悪かったなぁ。ほんと。

犬みたいな笑顔の彼を最後に見たのはいつだったかな。