花言葉 (ページ3)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:28,599 hit

3. ページ3

〜〜2018.5月〜〜

高校二年生。
何となく時が過ぎ、何となく私は生きていた。
部活以外にやりたいこともなければ、
将来の夢さえなかった。

友達といるのは楽しいけど、
何となく気を使うし、気を使われてるのがわかる。
私っていつも誰かに気を使われてる気がする。

よく検索にかけると、あなたが本当のあなたを
友達に見せていないからなんて書いてあるけど。
ほんとにそうかな。

そんな性格だから、頼まれたことも断れない。

クラスで園芸委員が1人も出なかった時は、
仕方なく手を挙げたりして。
花も草も土も好きではないけれど、
仕方なく週に一回、中庭で水やりを差せられてる。

一緒にやってるクラスの男子は何一つ手伝ってくれない。

まあ、いいの。別に。

私が我慢してこの場が収まるなら。

そう思ってた。

あの日もいつものように、水曜日だから
中庭に来ていた。
中庭なんて滅多に人が来ないところなのに、
何故かその日は、男子何人かがドロケイだか鬼ごっこだかしていた。

上履きが赤いから、1つ下か。

そんなことは無視して、水道でじょうろに水を汲む。

きたないなぁ、1回洗おうかな。
柄の部分が泥で汚れていた。
きっと昨日の当番の人だろう。
綺麗にしてくれればいいのに。
そう思ってた蛇口をひねった時だった。

ﾄﾞﾝｯ

横から誰かがぶつかってきた。必死に転ぶまいと掴んだのはさっきひねった蛇口で最大限に水が出てきてしまい、結果的に私は尻もちをつき、運悪くびしょびしょなってしまった。

最悪…だれだよ

そう思って視線をあげる。

「すいません！あのホントに！あ、水、水止めます。まっじですいません！怪我ないですか？」

見たこともないくらい白くて顔が小さくて綺麗な顔の男子生徒だった。

『はぁ、、、、、大丈夫、、じゃないけど』

「ほんとに、ガチで！服びしょびしょ、あ、俺のセーター着ますか？」

そういうとその子はいきなりセーターを脱ぎ始めた。

『え、あ、、！いいよ！べつに！』

「いや、でも風邪ひいちゃうし、」

『いいっていいって、』

「先輩？2年生ですよね！じゃあ交換こで！俺先輩洗って明日持ってくるんで！」

その子は私に自分のセーターを差し出した。子犬みたいな目で見るもんだから、断れなくて、私もセーターを差し出した。

「先輩、明日もここにいますか？」

『いや…明日はいないけど』

「放課後ここにきてもらっていいすか？」

『うん…』
彼はそう言って頭を下げて走っていった。