君、僕。Ⅱ (ページ8)

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教室に戻ると、深田と湧と内村が居た。
全員、何を話されたのか気になって仕方がなかったらしい。

深「生きてんじゃん」

湧「ほんまやー！！死んでかえってくると思った」

内「いや湧、死んだら帰れないから」

『ね。ちょ聞いて』

深「なに」

湧「光成は渡さない！！とか言われた？」

『違うの』

内「生きて返さねえぞ？って？」

『違うの！友達になりましょうって』

深「え？まじで？」

『ガチで』

湧「どういう魂胆なんそれ」

『知らんそんなもん』

この3人は、というか内村と湧は私が檜山くんのことを好きなのもとっくに気がついていたうえに、深田が噂の出処は春野さんだとバラしてしまったので、何故かもうずっと私の味方をしている。
まったく探偵かお前らは。

『いやーーー怖かった。深田が本性ヤバいって言ってたけどあれは計算高い女の目だった、沢山女に虐められてきた身としてすぐ感じとれた』

深「だろー？言ったろ？」

湧「がしかし、A男からの好意は一向に気が付けない」

『余計なお世話』

内「なんかお前どんどん黒くなってね？」

たしかに。前まではこんな発言しなかった気がする。
人を馬鹿にしたり、悪口を言ったり
全然してこなかった。

私の中で
この3年間たくさんの経験や
嫌な思い出を通し、
何かが吹っ切れたのかもしれない。

『黒くならないとこの高校で生きていけなかったの』

内「それもそうだな、A強え」

湧「いやほんとだよな〜よく良く考えれば尊敬するレベルだよ、転校してないのも不登校になってないのも」

『えーーーだってなんも悪いことしてないのに負けたみたいで悔しいじゃん』

内「俺らの代でお前の印象くそ悪かったもんな〜」

『結構それ口に出されると傷つくからやめれる？』

内「あーごめんごめん」

今はクラスに女友達が居ないから4人でご飯を食べてる。
昔の私なら、人目を気にして絶対にやらなかった。

でも、もう3年だし、人目もそんなに気にならなくなった。

でもそれは、深田たちのおかげでもあって。

あの噂は全部嘘だって言いふらしてくれたお陰で
私の学年での印象も
どうやら1年の頃よりずっと良くなってるらしい。
むしろ、同情されてるくらいのレベルだ、
と、ダンス部で女友達の多い内村が言っていた。

だいぶ過ごしやすくなったし、
深田が私のことを好きなのは
学年中にバレているので、
私が追いかけ回しているのではなく、
深田が私を追いかけ回している、という認識に変わったらしい。