君、僕。Ⅱ (ページ7)

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次の日、約束通り私は春野さんの教室に向かった。
春野さんは今年は、あの姫野さんと同じクラスで
仲良くしてるらしく2人でお弁当を食べてた。

私からしたら恐怖の2人組でしかない。

私が教室に来たのを春野さんは気がついたらしく、
こちらへ駆け寄ってきた。

春「あ、Aちゃん、ちょっとまっててね、ごめんね〜」

『うん、分かった。』

そういって春野さんはまた教室に戻っていった。

数分後、春野さんはまた私のところに来た。

春「来てくれてありがとう！ちょっとこれ確認したくて、、、」

そういって春野さんは本当に体育祭の放送の
台本を取りだした。
これは高一の頃、予行の時に唯一二人で話した時と同じやり取りと似ていた。

やっぱり、今やることではない、これにはなにか理由があるのかも、そう思った。

『こんな感じで大丈夫かな？』

春「うん！ありがとう！」

『今年は、結構早めの準備なんだね』

なんとなく、探りを入れてみた。

春「あーー、うん。それとね、

『それと？』

春「本当は、2人で少し話したかったんだ」

やっぱり、そう来たか、と思った。

『2人で？』

春「うん。」

はるのさんが私の方を見て、私も背筋が伸びた。
一体何を言われるのだろうか、また罵声をあびせられるのか、と思って、覚悟した。

春「私さ、ずっとAちゃんと、友達になりたかったの！」

予想外の発言に私の頭はこんがらがってしまった。

ト、ト、ト、トモダチ？

友達って、あの友達？

なんで？今？

『え？！わたしと…？』

春「うん、ずーーーっときになってはいたんだけど、ほら変な噂とか流されたりして、どういう子なのかな？って思ってたけど光成がとってもいい子だから私と合いそうって言ってたし」

え、その噂流したのあんたじゃないのか？
という気持ちは一旦置いておいて、
なんだかこの子は全て計算で動いている子だと
一瞬でわかった。

この一言で私に自分が檜山くんと付き合っている
順調であることをめちゃくちゃアピールした上に、
私がくそびっちである噂を流された女である
という強調すら盛り込んできた。

と、思うことは沢山あったが、私も私だ。

『あ、そうなんだ…。うん！いいよ！全然！』

簡単に承諾してしまった。

春「わあ、嬉しい、美雨って呼んでね。」

って笑った春野さんは悔しいほど可愛くて
なんだか変な気持ちになってしまった。

感じたことの無い。とてつもない違和感を覚えて教室に私は帰った。