君、僕。Ⅱ (ページ31)

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春「本当にごめんなさい。3年間、今まで。」

今までの春野さんとはちがう、誠実な謝罪だった。
プライドばかり持っている彼女は
もういなかった。

春「許してもらえるなんて、思ってない」

『うーん、怒ってないしもういいよ』

春「ちょっと話してもいい？」

『うん。』

私たちはそう言って、中庭のベンチに座った。

春「Aさん、ずっと光成のこと好きだったでしょ？」

『あーーー前はね、前までね！今は違う！』

春「だよね。これ、言っていいのか分からないけど…光成も、あなたのことが好きだったんだよ」

え、檜山くんが…？

『え、だって檜山くん、高一の頃から』

春「定期を拾ってくれた子が気になるんだって入学して仲良くなった時言ってたの」

春「それって、Aさんでしょ？」

『うん…私もその時』

春「光成、本当は気がついてたの、それがあなただってことも、自分の好きな子が深田の好きな子だってことも全部、だから諦めるって言ったの。その時に私が告白したの。」

『そう、だったんだ…』

春「すっごい大切にしてくれたよ？でもね、私じゃ1番になれないんだって、妬んでたのかも」

『…………』

春「だからたくさん噂も流した、、けど、そんなのする必要なかったの、、、、、」

春「好きでいてくれた、好きになろうとしてくれた光成を裏切ったのは私だし、あなたに可哀想って言われて初めて気がついた、私、可哀想なんだって」

『うん、可哀想だったよ。』

春「結構ド直球だね(笑)」

『うん、本当のことだし(笑)』

春「光成と私、隣の中学なの。中学の時練習試合で光成の中学行った時、一目惚れして、塾の子ずてにどこの高校受けるか聞いて、、、ずっと好きだったんだ」

春野さんがどうして、檜山くんにあそこまで
執着していたのかようやくわかった気がした。

『そうだったんだ…。あ！でも！だからって閉じ込めたことも、噂のことも帳消しにはしないからね？』

春「わかってるって。本当にごめんなさい。光成に、沢山怒られるかと思ったけど、呆れて無視されちゃったよ。無視される方がずっと辛かったな、、」

『檜山くんさ、曲がったこと嫌いじゃん？檜山くんが嫌いな人種になっちゃったんだもん仕方ないよ、』

春「相変わらずド直球ね、、、、」

『仕返しだよーん』

春「仕返しか、、、」

『ま、お互い頑張ろ。暗い顔やめなって』

うん、って春野さんは笑ってたけど。

その日、初めて本物の春野美雨を知った気がした。