君、僕。Ⅱ (ページ21)

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檜山くんとふたりで、羽村先生に言われた通り
体育倉庫に用具を片しに行った。

体育倉庫はトレーニングルームの近くにあって、
そこで深田たちは練習していたので、
檜山くんとちらっと見に行くことにした。

ちょうどkoi-wazuraiのイントロが聞こえて、

檜「お、やってるんじゃね？ほらいこ」

と、檜山くんに言われて急いで
トレーニングルームに向かう。

深田がセンターで、踊っててなんだか面白かった。
本当にアイドルみたいで。

内村は前に立ってみんなの様子を見ていて
真剣な顔をしていた。

たかが体育祭なのにものすごい気合い入ってて
なんだか面白かった。

曲が終わると、私と檜山くんは
みんなのところに駆け寄った。

檜「竜生〜〜めっちゃいいじゃんかっこいいよ」

深「え！檜山くん？！なんでいんのー！！っておまえもいんのかい」

『なによーーーーわるい？！あんたの分もこっちは準備やってんだから！』

湧「あーーーもうあちいーーーー颯太休憩」

内「お前らがサボってて今こうなってんだぞ！いっつも練習、皇輝くんしか来てないし」

深「まじで皇輝くんごめん！！」

川「あーいいっていいって。練習して早く終わらせよ、うっちーにも時間割いて貰ってるし」

『さすが生徒会長だね』

檜「ほんとだな」

『じゃあ私たち事務室行かないと』

檜「そうだな〜竜生、頑張れよー」

深「おーーーうさんきゅー」

檜「案外クオリティ高くてびっくりした」

『まあうっちー監修だからね〜あそこまで初心者に教え込むのさすがうっちーって感じだったわ』

檜「てかさ、初めてちゃんと見たけど、西村くんめっちゃかっこよくなかった？」

『あ！一つ下の？私も初めて見た！綺麗な顔の子だよね〜』

檜「そういえばさ」

『んー？』

檜「この間のことなんだけど」

『この間？』

檜「屋上の…」

屋上…。私が檜山くんに好きって言っちゃった日か。

『あぁ、あれ？あれはもう』

檜「嬉しかった。素直に。ありがとう」

『え、あ、いや…私もそんなに言うつもりじゃなくて』

檜「俺さ、嬉しかったんだ。ずっと、Aは竜生のことが好きだと思ってたしびっくりしてあの時は何も言えなかったけど」

『え…？』

檜「あ、おれが取ってくるよ養生テープ」

そう言って檜山くんは、事務室に入った。

それ以上その日は何も語ることは無かった。