君、僕。Ⅱ (ページ18)

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「はいじゃあ授業終わりにするよー、ほらーあつまってー」

「はい、みんなこれで体育祭前最後だからね、本番頑張ってよー！はい深田号令してー」

深「はーい、きょうつけーれい」

「「「ありがとうございましたー」」」

「じゃあAと深田、片付け最後手伝ってね」

「「はーい」」

私と深田だけ残って、校庭に残された用具を運ぶ。

「聞いたよー？3年間2人で委員やってるんだってー？仲良いねー」

カラーコーンを片していたら羽村先生に話しかけられた。

『あ、まあ、なんかまあ無理やり成り行きで笑』

「成り行きねー。いいじゃん仲良くて」

『まあ、仲はいいですけど』

「先生たちの間でも話題だよ」

『え！そうなんですか？』

確かに、椎名梨花の件で動画が流出したこともあって
私たち二人は先生に呼び出されたこともあったし
学校内では有名な2人、なのかもしれない。

「うんうん！2人付き合ってるのかなーって言われてたけど実際付き合ってないでしょ？」

『まあ、そうですね。中学同じなんですよ。』

「あーなるほどね！」

そんな話をしていると、遠くでビブスを片していた
深田がこちらに走ってきた。

深「せんせー！おわったんすけどもう戻っていいすかー？」

「はーい、いいよー次も授業あるでしょー」

『じゃあ私もいいですか？』

「うん、私次授業ないからあとはやっとくよ〜ありがとうね〜」

深「あざーす」

『ありがとうございました！』

羽村先生、すごく話しやすくていい先生だな、
新卒だし同世代感覚で話せる。

『深田戻ろー』

深「おう」

『羽村先生、いいひとだよね』

深「あと可愛い！」

『そっち？まあ確かに超可愛い』

深「だよなあ」

深田とふたりで階段を上がっていると、檜山くんとすれ違った。

深「お、檜山くんじゃーん」

檜「竜生ー、あ、A！ワークありがとう！机に置いといた、助かったわ」

『あ、うん！了解！』

檜「じゃーなー」

そう言って檜山くんは、階段を下って行った。

深「なんだ檜山くんに貸してておくれたのか」

『あ、うん。こまってそうだったから』

深「ほーー、早く行こ、お前また次の授業も遅れるぞ」

『そうだね』

と、2人で階段を上がる速度をはやめた。
教室に着くと、私の机にはワークとお礼のカルピスが
置いてあった。

お礼なんていいのに。

次の授業は原則体育着で受けていい制度なので、
着替える時間のなかった私は体育着で授業を受けた。