君、僕。Ⅱ (ページ15)

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その日の夜、深田から電話がかかってきた。

よく、課題のこととか暇な時にかかってくるけど
今日ばかりは私を心配してるんだろうな
というのを何となく察していた。

『もしもし？』

深「おー、お前大丈夫？」

『あ、うん。大丈夫だよ、私なら』

深「そっか、強がってるなら俺が話聞いてやるけど！」

『うるさい、余計なお世話よ』

深「んだよ、せっかく人が話聞いてやろーとしてんのに」

『はいはい、ありがとうね、、、檜山くん、なんか言ってた？』

深「やっぱ気になる？」

『そりゃ、、だって私勢いで好きって言っちゃってオマケにスルーされたんだよ？！そっかって、、、終わった、、』

深「ごめんけどあれは笑ったわ」

『おいーーーーもうまじ思い出したくない』

深「そのくせ、春野の肩ばっか持つし、なにしてんだよ」

確かにそうだ。あの時何故か私は、春野さんが
檜山くんをすごく思っているって何故か檜山くんにプレゼンしていた。今思うとなんであんなことをしていたのか謎で仕方がない。

『そうだけど…』

深「俺さ、完全チャンス逃してるじゃん」

『え？』

深「お前が好きなやつが、付き合ってたから、どっか安心しててさ」

深「お前は檜山くんが好きだから、誰とも付き合わないって、そう思ってた、結局は俺がって」

『深田、、』

深「でも檜山くんが別れた今、やっと気付いたわ。おれ何年もチャンス逃してんじゃん」

『別に、檜山くんがはるのさんと別れたからって私と付き合うわけじゃ』

深「じゃあ、お前は俺と付き合ってくれるの？」

『え、それは』

深「どうしても、やっぱ檜山くんなんだな」

『………………』

深「黙んなよ、、、」

『ごめん』

深「檜山くんつえーーーーーー勝てねえーー強敵だわ」

そう言って深田は、笑った。

『なんでかな、こんなに深田は私に、私嬉しいはずなのに、なんでかな、なんでこんなに檜山くん

もうそれ以上言うと
涙がこぼれてきそうだった。

深「もうそれ以上言うなよ、落ち込むだろ俺が」

『んっ、そう、だね、、ごめん』

『私、深田のことはものすごく大切に思ってる、それだけは忘れないで』

うんわかった、ってそう言って深田は電話を切った。

夜を長く感じたのは久々だった。

こんなに思ってくれる彼を、
助けてくれる彼を
どうして好きになれないのか、
初めて疑問に思った夜だった。