Please help me. [文スト] (ページ7)

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しちページ7

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「少し、彼女と二人で話したい」

太宰がそう申し出て人払いをしたのは其れから直ぐの事だった。何時もなら何を巫山戯た事を抜かしているのだと国木田が怒鳴る所だが、今いるメンバーで一番英語が話せるのは太宰だと判明した今、何か考えがあるのだろうと一同は黙って聞き入れる。

通常業務に戻った鏡花達は静かな応接間に疑問を抱きながらも各々の仕事を片付けた。

「彼女の依頼が判ったよー」

二人で話し始めてから一時間程が過ぎた頃、太宰とAが仲良さげに出てきた。一斉に其方を向いた社員達は余程話の内容が気になっていたのだろう。太宰はその中に先程はいなかった与謝野と乱歩と賢治がいることを確認して、恐らく社長である福沢も帰社済みなのだろうと推測した。

鏡花がAの元へ駆け寄ろうとして、行っても良いのか立ち止まっている様子を見てかなり仲良しになったようだと太宰は微笑む。之は良い兆候だ。元暗殺者である鏡花が普通の子供の様に友達の傍にいたいと願ったのだから。

「依頼？そういうお話だったんですか？」

「嗚呼、まぁ依頼と云うかは偶然が重なった結果、依頼という形に落ち着いたのだけどね」

「太宰、説明を頼む」

ある程度話は聞いていたのだろう賢治から質問を受けて答えるが、此の情報は先程の彼女からの話で判った事なので賢治だけでなく全員が初耳の話である。国木田が太宰に説明を頼んだ。

太宰は勿論、と笑い隣に立つAの背中をグイッと押して自らの前に立たせる。然してその華奢な肩に手を置いた。

「まず、彼女の紹介からしよう。…Can you do it by yourself?」

「Definitely.」

自分で(自己紹介を)出来る？と太宰が問うと、勿論、とAは後ろに立つ太宰を見上げて少しぶっきらぼうにそう云った。若しかして、一人で出来る？大丈夫？と馬鹿にしている様に捉えられてしまったのだろうか。うーむ、英語って難しい。太宰は一人、百面相を脳内でする。

一寸自尊心(プライド)が高い感じがする。乱歩は事務員から渡されたお菓子を一人頬張りながら思う。乱歩に英語は判らないが何となく、そんな気がした。もし良い子だったら日本の駄菓子文化について教えてあげなくもないかな。彼女の国のお菓子情報と交換で。