Please help me. [文スト] (ページ6)

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ろくページ6

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「シンジュウ？」

「わー！覚えなくていいから！」

「アツシ、何イウ？」

「忘れて！心中！」

「Please、ふぉーげっと」

「Oh, I get it.」

国木田が応接間に入ると、何やらかなり馴染んだ様子の敦と鏡花、そしてAがいた。Aに至ってはかなり日本語が上手くなっている。Here you are、とナオミから手渡された和菓子をまじまじと見つめ鏡花に之は何かと尋ねていた。

ワガシ、日本のお菓子。そう鏡花に教えられAは鏡花の着物について問うた時と同じ様にきらきらと目を輝かせた。敦は年相応のAの表情に少し顔を赤らめる。

Aが笑うまで19か20辺りだと思っていたナオミだが、その表情を見て15歳程なのかしらと考えを改めた。ねェ兄様、と兄である谷崎に彼女が幾つ程だと思うか問おうとした処で太宰を締め終わった国木田と目が合う。仕方ない、雑談は仕事が終わってからにしないと。

「It's nice to meet you. I'm Naomi.
You are A, aren't you?」

「Right.」

「Ok,thank you! You know What,Are you looking for something?」

初めまして。私はナオミですわ、貴女はAさんであっていますか？

うん

ありがとうございますわ！そういえば、何か困り事があるのですわね？

唐突…太宰はナオミとAの会話を聞いてそう思った。然し学校で習った程度で此処迄話せれば優秀な方なのだろう。

太宰はAの容姿を怪しくない程度にまじまじと観察する。元職場で首領に溺愛されていた少女と色合いが似ていた(髪色然り目の色然り)が、身長は鏡花より高く賢治と同じ程度だ。女性にしては高い方だと思うが外国人だと考えると之が普通の身長なのかも知れない。顔は人形の様に整っている。

此方(探偵社)の拙い英語でAと会話が成立しているのはAの頭の回転が恐ろしく速いからだろうと彼らの会話を聞いて太宰は感じていた。然し未だ日本に不慣れなのだろう、先刻から日本の文化に目を白黒させている。否、日本に興味がある？

「I'm looking for someone.」

「え、ええと、一寸待ってくださる…？」

「…Who is the person?」

「The person is to help me.」

「…君を助ける？助けを望んでいるのかい？」

ナオミがAの返事に返せずにいると横から太宰が助け舟を出す。あまりに流暢な太宰の英語に一同はぽかんと口を開けるが気にせずに会話を続ける太宰は漸くAの目的を聞き出すことに成功した。