45話 ページ45
＊
｢やっぱりAは凄い。｣
｢は？｣
(少なくとも天喰の中では)波乱の電車を降りて目的地のファットガム事務所に向かう道中、天喰が切り出したのは先程の話だった。
男の子への返答も、すぐに親子に席を譲ったのも、天喰には出来ないことだ。もしあれが自分の立場であれば天喰は何も出来なかっただろう。Aだからこそ出来たのだ。ミリオのような、Aだからこそ。
｢…天喰が何考えてんのか大体予想は着いたけど。｣
伊達に1年付き合っていないAには天喰のことがミリオ程ではないにしろ分かる。つーかなんでおれが天喰(コイツ)のことを慰めなきゃなんねぇんだよ、とAは愚痴を吐きつつ、しかし言葉は一つ一つ丁寧に選んでいた。なんだかんだ言ってAは天喰のことを気に入っている。
｢おれの憧れの"サンイーター"は向上心が高くて意外と負けず嫌いで、1歩引いて周りをよく見れている。自分がするべきことを理解していて、尚且つ味方のフォローも出来る。…知ってたか？｣
｢！｣
Aからの思わぬ言葉に天喰は下げていた顔をバッと上げる。今、Aが俺のことを褒めたのか。都合の良い幻聴ではないか。だって、天喰の知るAというのは決して、戦闘時以外は何が起きても、天喰をフォローすることはない。だからこそ天喰は己の耳を疑った。思わず天喰の足が止まる。Aも天喰に合わせて歩みを止めた。
｢憧れって…？｣
｢うっせ、何度も言わせんな。おれのキャラじゃねぇんだ。恥ずかしいんだよ。｣
珍しい。本当に珍しい。Aが照れたようにそっぽを向くのを天喰は見た。同時に幻聴だと思っていたものは本当に聞こえていたのだと信じる。
口の悪いAは天喰の前ではさらに悪くなる…と天喰は思っている。子供っぽくなるのだ。天喰がAに頼んだからなのだが、Aが天喰に敬語を使ったのはたった1度しかない。猫を被っているAも、相澤たちの前でのAも頼りになるが、天喰の前でのAだけは年相応に思える。ミリオにさえも見せないAの一面。天喰はそこに優越を感じていた。誰だって可愛い後輩に懐かれていたら嬉しくなるものだ。だから、つい、甘やかしてしまう。
｢ありがとう。…A、いや、サンライズは俺の憧れなんだ。｣
｢…そこはおれ(A)にしとけよな。｣
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緑猫(プロフ) - 月さん» お聞きくださりありがとうございます！続編は49話まで解禁したら公開しようと思っているのでもう暫くお待ちいただけると嬉しいです！ (2019年5月12日 21時) (
レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
月 - すみません、続編にパスワードがかかっているのですが、パスワードはなんですか、、? (2019年5月12日 21時) (レス) id: 43155a1990 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 竹薮さん» コメントありがとうございます！anotherは実録なので同じような人が身近にいたんですね(笑) わーー！サンライズ好きですか！！！？めちゃめちゃ嬉しいです！！！更新頑張ります！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - アクトS18さん» コメントありがとうございます！刺さったようで嬉しいです(笑) 頑張ります！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
竹薮(プロフ) - LINEであけおめことよろとか言っている人いて思わず笑いました(笑)サンライズ好きです、更新頑張ってください、応援してます。 (2019年5月1日 11時) (レス) id: 27e37010d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=92287f70ddf83f82a39ea7c9d0c473c7...
作成日時：2019年3月31日 9時
