37話 ページ37
＊
そのとき、轟は思いついた。
体育祭後、角が取れて丸くなった轟の周りには緑谷と飯田がいる。合点が行ったような轟の表情に飯田が小声で尋ねた。しかし合わせて小声にしないのが轟スタイルである。彼の名誉のために言うと轟は馬鹿ではなく寧ろ賢い。しかしドが付く程の天然でありそしてどこか抜けていた。
｢俺たちは爆豪(アイツ)がああいう奴だって知っているが、先輩にとっちゃあタメ口で偉そうな後輩は嫌だろうなって思った。｣
声量を抑えずいつもの調子で言った轟の声はしんと静まり返っていた教室に響く。何が原因だと考えていたA組はそれだ！と図らずして心が一つになった。特に緑谷は小学校に通う前からの付き合いであったために爆豪の"それ"が普通だと思い込んでおり盲点だったと愕然とした。
｢"ショート"の言う通り、おれにもプライドはあるってことだよ。｣
｢…まだ続けんのかよ、それ。｣
｢はーい、次の授業があるので帰りマース。ばいばい。｣
｢待てやゴラァ!!!｣
にっこりと笑って手を振ったAにとうとう爆豪が声を上げた。よくここまで持ったな、と授業の準備をしながら障子は少しだけ爆豪を見直す。爆豪の言ったそれ、というのはAの猫被りのことだ。なんで爆豪は自分から墓穴を堀りに行くんだと相澤は呆れた。
｢本当に時間ないんだよ。ほら、あと3分でチャイムが鳴る。｣
｢〜〜〜〜ｯ｣
｢(かっちゃんが葛藤している…！)｣
緑谷が離れた場所から珍しいものを見たと目を丸くさせる。実際に2限目が始まるまであと少しだ。Aの言葉に教師2人は足早に職員室へと戻り、クラスメイトたちは次の時間の準備をする。
｢ひ…る休み、食堂にいてください。｣
敬語があまりにも似合わない爆豪に耳郎は鳥肌が立ったような気さえした。
｢無理。｣
｢は！？｣
声をあげたのは上鳴だ。最初こそどうなるんだとニヤニヤしながら聞いていたがいつの間にか爆豪に感情移入していた。あまりにも爆豪が不憫過ぎたし、Aが(恐らく)爆豪限定でSっ気が強すぎる。
｢おれ、食堂苦手なんだよね。教室にいるからそれでも良ければおいで。｣
じゃ、と片手を上げて爆豪の返事を聞かずに今度こそAは出て行った。何なのだったんだ。イケメンだから許される。寧ろあんなイケメンにSっ気があるのは狡すぎ。口々に嵐が去ったあとのような雰囲気に賑わいが戻る。
我に返った爆豪がア!?と声を荒らげたとき既にAの姿は見えなくなっていた。
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緑猫(プロフ) - 月さん» お聞きくださりありがとうございます！続編は49話まで解禁したら公開しようと思っているのでもう暫くお待ちいただけると嬉しいです！ (2019年5月12日 21時) (
レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
月 - すみません、続編にパスワードがかかっているのですが、パスワードはなんですか、、? (2019年5月12日 21時) (レス) id: 43155a1990 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 竹薮さん» コメントありがとうございます！anotherは実録なので同じような人が身近にいたんですね(笑) わーー！サンライズ好きですか！！！？めちゃめちゃ嬉しいです！！！更新頑張ります！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - アクトS18さん» コメントありがとうございます！刺さったようで嬉しいです(笑) 頑張ります！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
竹薮(プロフ) - LINEであけおめことよろとか言っている人いて思わず笑いました(笑)サンライズ好きです、更新頑張ってください、応援してます。 (2019年5月1日 11時) (レス) id: 27e37010d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=92287f70ddf83f82a39ea7c9d0c473c7...
作成日時：2019年3月31日 9時
