10話 ページ10
＊
「帰ろう…って何をそんなに怖い顔しているんだ。」
あと少しで今回の襲撃について分かるかも、というところで教室の扉が開かれ見慣れた黒髪が入ってきた。思考を中断されたAは不機嫌そうに黒髪もとい、天喰環に目をやる。
「別に。」
「別にって顔じゃない…」
俺が悪いのか…と下を向いた天喰にAは面倒臭そうな表情を隠さずに鞄を肩にかける。Aが通形先輩は？と聞くとトイレだと返ってきた。下駄箱集合らしいので天喰と肩を並べて廊下を歩く。割りと時間か経っていたらしく、教室には人気がほとんどなかった。
歩きながら話すのは勿論、敵襲撃のこと。プロヒーローばかりの雄英に襲撃を掛けるなんて、余程の命知らずか、それとも自信があったのか。天喰が来るまで考えていた考察を含めて話していると、ふと天喰が切り出した。
「俺が1年のときも侵入なんてなかった。この間のマスコミの件だって、先生が初めてだと言っていた。」
そこでちらりと天喰がAを見るとパチリと視線が合った。Aの目は天喰の言葉を促すように開かれていて天喰は居心地が悪くなる。今から話すのはただの憶測だ、これで間違えていたら3年生の癖にとAに失望されてしまうかもしれない…いや元々失望される程期待されてもいないのか…！？
グルグルと1人で負の連鎖を起こしている天喰にAはまたしても嫌そうな顔をする。ノミの心臓と揶揄される天喰にAの言葉はキツすぎる、と前に通形から言われたことがある。Aも自分の口が悪いことは自覚しているからこそ、ここで何か天喰に声を掛けてさらに落ち込まれては面倒だ。しかし3年生かつビッグ3の1人である天喰の見解も聞きたい。行き詰まったAは別視点からの意見を欲していた。
と、そこに救世主が現れた。
「お待たせーって何この状況。」
「あ、お疲れ様です。大物でしたか？」
「ウンウン、かなり気張っちゃってね。力を抜くと意外とツルんと…って何言わせてんの！？」
俺の知るAはそんなこと言わないんだよね！？と騒ぐミリオにAは言わせておきながらも「うわあ」という顔をした。残っていた女子生徒がミリオを避けながら下駄箱へと小走りで去っていく。君、意外と下ネタ言うよね！とミリオはAの頭を軽くチョップした。突然の話の変更に天喰は若者怖いと震える。若者と言っても1年しか変わらない年の差を突っ込む者はいない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緑猫(プロフ) - 月さん» お聞きくださりありがとうございます！続編は49話まで解禁したら公開しようと思っているのでもう暫くお待ちいただけると嬉しいです！ (2019年5月12日 21時) (
レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
月 - すみません、続編にパスワードがかかっているのですが、パスワードはなんですか、、? (2019年5月12日 21時) (レス) id: 43155a1990 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 竹薮さん» コメントありがとうございます！anotherは実録なので同じような人が身近にいたんですね(笑) わーー！サンライズ好きですか！！！？めちゃめちゃ嬉しいです！！！更新頑張ります！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - アクトS18さん» コメントありがとうございます！刺さったようで嬉しいです(笑) 頑張ります！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 457e9c6f45 (このIDを非表示/違反報告)
竹薮(プロフ) - LINEであけおめことよろとか言っている人いて思わず笑いました(笑)サンライズ好きです、更新頑張ってください、応援してます。 (2019年5月1日 11時) (レス) id: 27e37010d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緑猫 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=92287f70ddf83f82a39ea7c9d0c473c7...
作成日時：2019年3月31日 9時
