"俺を好きになって"なんて言わせない。 (ページ4)

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「ただいま〜」

マンションについて、部屋の鍵をガチャっと開ける。
リビングから光が漏れて、玄関に無造作に脱ぎ捨てられた靴にはふっと笑いがこぼれる。

「ごめんね。遅くなって」

そう声をかけると、パッと振り向いたその顔がくしゃっと歪んだ。

目「遅かったね，俺行くって伝えてたのに」

「ごめんごめん、ふっかに誘われちゃって」

部屋着に着替えて、ソファーでくつろぐ目黒の隣に座る。
長い手が私の体に回って、肩についた目黒の顔が
すーっと息を吸い込むのがわかる。

「ふふ、珍しいね」

目「何が？」

「目黒がこうやって甘えてくるの」

目「そう？まあ俺，尽くされるより尽くしたい派だから」

ちゅっとおでこにキスを落とされて、
またぎゅーっと力一杯抱きしめられる。

目「半年も放置されて、おかしくなるかと思った」

「とか言って頻繁に連絡してきたくせに」

目「一回も返してこないくせによく言うよ」

「ふふ、ほら私反省期間だったからね」

目黒の手を振り解いて、コーヒーを淹れようとキッチンに向かう。
私が立ち上がると、後ろからついてくる目黒はなんだか大型犬みたいだ。

目「んで、相手は誰だったの？」

「…普通聞く？そういうの」

目「気になるじゃん、てか普通に妬いたし」

…あ、やばいこれは。
キッチンのカウンター越しの目黒が、じーっと私の瞳を捉えて離してはくれない。