星に願いを

first×7 ページ8

7



家に帰るとソファに腰をおろす。


スマホの電源を付けると
lineの通知が30。


きっと敬浩さんだな。
いつもこう。


lineをひらくと予想通り敬浩さんからのスタ爆だった。


29個のスタンプと、
メッセージが送られてきていた。





敬浩＜Aは一人じゃない






寂しくなると、小さい頃、私って一人？っていつも聞いてたらしい。


この言葉があってよかったと思う。


少し微笑んでから



“知ってる”




と返事した。

すぐに既読がついて、


敬浩さんとあきらさんとまきさんの変顔が送られてきた。


それを見てまた微笑むと、
ケータイを閉じてソファに寝転ぶ。




シーンとしたリビングの中。
カチャリとドアの開く音がした。



｢んー？あ、ひろさん｣


玄関の方を見ると、ひろさんが荷物をたくさん持って立っていた。


｢お前シャワーぐらい浴びてから寝ろよー風邪引くぞ｣



いつもの優しい顔で笑うと両手に持っていた買物袋を下に置いた。


そして私の隣に座る。


｢最近はどう？｣

｢変わってないかな｣


クッションをぎゅっと握る。


｢辛くなったら言えよ｣


大きな手で頭を撫でてくれるひろさん。

｢辛くなっても絶対いわなーい｣


そう言うと、
ひろさんは、そう言うと思ったよ、と笑った。


｢頼れよ。迷惑とか考えなくていい。お前が悩んでるのが俺らにとっては一番迷惑だから。｣


ひろさんはいつまでも優しい笑顔。
ひろさんの顔を見ると安心する。


｢うん｣


微笑みながら頷く。
ひろさんはあったかい。

first×8→←first×6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す