#6 右京side ページ6
ドカッ
「……向こうで寝てたはずでしょ」
「あぁ?…寝相だ寝相。寝てんだから分かる訳ねぇだろうが、くっそいってえ…」
「……自業自得」
「あ?」
クロネコ ――――― Aは結局それからここに住むようになった。
……いや、「住んでる家はない」と言ったAに日向が無理矢理「住め」と言った、が正しいか。どちらにせよ、ただの雨宿り人だったやつを、やはり日向は気に入ったようだ。しかも、かなり。
まだ出会って1日もたってないというのに、日向が朝からAにべったりくっついているのが、なによりの証拠だろう。
今までずっと日向と共にやってきたが、未だにこいつの頭の中は知れねえ。何考えてんだか。
「右京、おはよ」
「おう、おはよう。朝ごはんはできてるから寝癖、直してこい」
「いい。お腹空いた」
「……んだよ。後で直してこいよちゃんと」
「ん、」
「ったく」
でも、AもAで、その命令に素直に応じ、おとなしくここに住み着いている。ま、勘の鋭そうなこいつのことだ。日向から本能的になにかを感じ取ったのかもしれない。逃げたら殺される、とか。
まあ俺は、どっちだっていい。
「おー今日も美味そ!って日向がこの時間に起きてんの珍しいな」
「こいつに蹴り起こされたんだよ」
「おーいい目覚まし見つけたじゃねえか」
「……殺すぞ」
「いただきまーす」
日向だけじゃない。
左京もなんだなんだ、気に入ってるんだろう。
「お前、嫌いなもんねぇのか?」
「……特にない」
「ほら、これも食え」
「ありがと……てか日向、近いんだけど。暑苦しい」
「あぁ?日向はお前だろうが。違う呼び方にしろ」
「……」
「……おい、」
「うるさい。下の名前忘れたから無理」
「……お前、」
「…………ふっ、」
「左京、それ欲しい」
「おう、これか?」
俺だって、こいつのことは、嫌いじゃない。
364人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - おむらいすさん» 最後良いところで終わらせてるけど返事が気になる! (2017年8月24日 9時) (レス) id: 5e5aea13cc (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 「俺にまったくものおじしない」です!!誤字までご指摘いただきありがとうございます゚(゚`ω´ ゚)゚ありがたいです!! (2016年8月18日 23時) (レス) id: ae7b2e867a (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - 朝から居ちゃいちゃの所、イチャイチャですよ。 (2016年8月18日 17時) (レス) id: f800aad533 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - 俺に全く物怖じしないってどう読むんですか?「初めて見たんですが、面白いです!更新頑張ってください!」 (2016年8月18日 16時) (レス) id: f800aad533 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす(プロフ) - ヒメさん» ありがとうございます(;Д;)(;Д;)ただいまノロノロと頑張っておりますよ…… (2016年7月31日 8時) (レス) id: ae7b2e867a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おむらいす | 作成日時:2016年7月26日 1時