君の命の在処は。 (ページ19)

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Aside

莉犬「俺に犬耳が生えてる理由？」

『はい。前から気になってまして…』

超人な力を持つ人はいるものの獣人は本当に珍しい。

ていうか、物語でしか無いものだと思っていた。

莉犬「生まれた時からこうだったんだけどねー、なんでかはわかんない。親も見た事ないし。」

『え。』

莉犬「俺は俺以外の獣人見たことないし、未だに獣人のメリットが分からない。」

次第に莉犬くんの笑顔が消えていった。

莉犬「周りから見たら変なものみたいな目で見られてきたよ。」

悲しそうだ。

まるで、私と似ている。人とは違う何があるだけで人は執着する。

莉犬「でもね！」

ぱっと顔が明るくなった。

莉犬「みんなは俺を普通に、他の人と一緒のように見てくれている。」

莉犬「それが嬉しくてたまらない。」

『私も莉犬くんが莉犬くんであるのは嬉しいです。』

莉犬「ほんと！？Aが嬉しいならもっと自慢になっちゃうね！えへへ！」

違う。嬉しいじゃない。これは…

『莉犬くんが莉犬くんであること…好きです？』

そっか。これは好きだ。

莉犬「なんか照れる！」

シッポをブンブンと元気に振る。

神経通ってるんだ……

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

莉犬「気持ちー…( ˘ω˘ ) ｽﾔｧ…」

熱気が早い。まるで赤ちゃんみたい。

えへへ…と笑いをこぼしながら幸せそうに寝る。

私も莉犬くんみたいになりたいな。

ただずっと前を向いて歩くことが出来る。

歩かせてもらえる仲間がいる。

私も前を向かせようとしてくれているみんながいる。

不意に気づいた幸福に体がポカポカした。