timing《 松田元太 》

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振られた日よりも辛いことがあっていいのだろうか









いつもなら不足品の買い足しや作り置きなどをする休日も何もする気になれなくて必要以上にベッドから離れなかった









誰からのLINEも返してなくて、失恋ソングを流しては更に病むみたいなメルヘンなメンヘラチックをかましてる。









元太：未読無視するくらいな既読無視にしてよ









タイミング良く松田くんからLINEがきた









そう言えば松田くんからのLINEなんてトークの下の方にあった









いつもならごめんって返すけど、今はメルヘンメンヘラな私は本当に既読無視。









そしたら10分後くらいに電話がかかってきた









元「ほんとに既読無視するあたりやっぱAちゃんだよな」









「ごめんごめん」









笑った声を出しても顔は至って真顔









元「明後日どこ行く？」









「…食欲ないしやめとこっかな」









事実で、あの日から栄養ゼリーを飲むだけ









元「え、体調悪い？大丈夫？」









「いや、悪いわけじゃないよ、夏バテ」









大体の人がなるほどねってなる言い訳









でも松田くんはそうじゃなかった









元「絶対違う、声のトーンから違う」









「いやそれはさすがに怖いよ」









元「なんか辛いことあったんならハルカでもいいからどこかに吐き出さないともっと辛いでしょ」









辛いことがあったって認めてもないのに当たり前にそんなこと言うから、グサッと刺さるものがあって目頭が熱くなってきた









「…松田くん」









元「ん？」









「…」









辛い。って一言が言えない









元「…辛いの？」









優しい声で聞いてくるから涙が1滴零れて、鼻を啜った









「辛い」









ほんとにどこまでも私のテリトリーに勝手に入ってくる









元「俺にどうしてほしいの？」









そんな人が前は嫌いだった









「…会って、泣かせてほしい」









なのに今は









元「すぐ行くから待ってて」









そんな人がいなきゃ壊れてしまう自分になった









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