5話 ページ5
Aを追うモンスターは人間離れしたその身体能力があれば、平手打ちでも倒せるものばかりだった。
だがAはそんなモンスターでさえ倒す事が出来ずに延々とジャングルの中を逃げ回っている。
それは何故か。
「怖いよおお！｣
Aには武器がなかったからだ。
身を守る盾もなければ、魔法を使える気配もない。
逃げる事に精一杯なAは自分が尋常ではないスピードで走れている事さえ気づいていなかった。
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…！」
そもそも臆病な性格では、端から攻撃をする選択肢などなかった。
尽く運のないAに最大の危機が訪れる。
「ああ！うそでしょ…崖！？｣
木々を抜けて見えた果てしなく広がる美しい緑の大地にAは絶望に近い感情が湧いた。
少しでも動けばボロボロと崩れていきそうな崖。
下には1本の川があるが仮に飛べたとしても着地を失敗すれば一溜りもないだろう。
いきなり迫られる【飛ぶor戦う】の選択肢。
どちらを選んだとしても死ぬ可能性はある。
飛んで死ぬか、戦って死ぬか。
もう時間が無い。モンスターがすぐそばまで来ている。
Aはどうか夢であれと願い覚悟を決めた。
「うああああ！！」
Aは飛ぶを選択し、助走をつけて勢いよく地面を蹴った。
一瞬ふわりと浮いた彼女の体は重力に従ってすぐに小石とともに落下していく。
「うぇえ！？勢いつけすぎたあ！｣
Aはやっと自分の体に起きた異変に気づいた。
それと同時に遅すぎたということにも。
このままでは優れた身体能力があったとしても、彼女の体は地面へと叩きつけられ、呆気なく死んでしまう。
戦っていればよかったと後悔しても、どう足掻いてもAを待っているのは死のみ。
声を荒らげようにも、涙を流そうにも冷たく突き上げてくる風にかき消されてしまう。
もうダメだ。
諦めかけたその時、誰かがAの体を容易く受け止めた。
「ふぅ！危ないことするなーもう｣
たんたんと軽い身のこなしで崖を上手く蹴って降りていく。その動きはいまもどこかでふざけ合っている3人とは別格だった。
「あ、なたは…」
薄れゆく意識の中、目に映ったのは忍者姿の男の人。
やっと誰かに出会えた事、死なずに済んだ事に安堵したAはそれが誰なのかも分からないまま意識を手放した。
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リヨ(プロフ) - はい！応援してます！ (2022年11月21日 15時) (
レス) id: 8ff8e8fe30 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - リヨさん» ありがとうございます！ほぼ全滅です……笑頑張ります！ (2022年11月21日 15時) (レス) id: 013d671d7d (このIDを非表示/違反報告)
リヨ(プロフ) - お大事になさってください！逆に小指が折れなくて良かったですね… (2022年11月21日 15時) (レス) @page16 id: 8ff8e8fe30 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - ういろさん» こちらの作品にまでコメントありがとうございます！頑張ります(๑˃̵ᴗ˂̵)و ﾖｼ! (2022年9月28日 0時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
ういろ(プロフ) - これからどうなるのか楽しみです！！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page11 id: a8c88cc666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シノノメ。 | 作成日時：2022年9月7日 19時
