【d!】主役の虚言 (ページ5)

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手を冷やす為の氷を貰うために厨房のような場所へと足を踏み入れると、焼きたてのパンの香りと潮の香りが鼻を刺激し、小腹の空いた腹はグゥと音を立てた。

kn「なんやA、腹減ったんか？確かに俺も腹減ったなー！まだ夕飯の時間じゃないけどつまみ食いしようや！」

『え、つまみ食いとかバレるよ。でもちょっとなら大丈夫かな？』

厨房を覗くと料理をする人影があり、コネシマと一緒にどうするかと騒いでいると厨房にいた人物に気づかれてしまった。

「どうしたんすかこんなとこで騒いで、ってAじゃないっすか。うるさいの連れて何しに来たんや？」

『生のショッピくん可愛すぎる…あ、さっき扉に手を挟んじゃったから冷やすもの貰おうと思ってね』

kn「おいショッピぃ！うるさいのとはなんや！ついでになんか飯寄越せ！」

厨房で料理をしていた人物は以外にもショッピくんであり、立ち絵にあるヘルメットは付けておらず白シャツにギャルソンエプロンが様になっている。

shp「そうだったんすか、手は大丈夫すか？氷ならここにあるんで使ってください。」

『ありがとう。それより、今何作ってたの？』

shp「サーモンベーグルっす。稽古が終わってお腹すいたんで作ってたんすよ。Aもどうっすか？ついでにコネシマさんも」

kn「ついでにってなんや！まぁ鮭だから食うけど。」

私達はベーグルサンドを食べながら雑談に花を咲かせた。ほとんどが他国の情勢についての話で私は理解できなかったが楽しそうに話すコネシマとショッピくんを見れただけでも正直満足である。

kn「はー食ったわーA全然食ってないやん！大丈夫か？」

shp「コネシマさんがAの分まで食べるからでしょ」

『夕食の時間までもうすぐだから大丈夫！それよりショッピありがとうね！』

それほどでも、とショッピくんは満足そうな表情を浮かべ食器を片付けに行った。

氷で冷やしていた手は赤みを引き、痛みも無くなっていた。

kn「手はもう大丈夫そうやな、まだ痛みがあったらグルッペンに言いや、医者呼んでくれるからな。」

『お医者さん呼ぶほどでもないよ！大丈夫だから安心して。』

視線を合わせながら微笑むと、やんわり逸らされてしまった。元々好感度は高めとはいえ、恋愛対象として見られては居ないのだろう。

誰か1人の好感度をぶち上げてでろでろに愛されるのも悪くないが、私は箱推し。全員から愛されたいのである。私は勿論全員の好感度をMAXにするつもりだ。