【鬼滅の刃】後藤の妹です。

ブラコン度19％ ページ23

刀を抜いた瞬間、私は自然と息を呑んでいた。






すこしずつ紅色に染まっていく私の刀は、今まで生きてきた中で一番美しく感じた。すこしずつ、すこしずつ紅に染まっていき染まりきった、そう思った瞬間その考えは裏切られた。






と、言っても良いほうに、だ。下から斑に、蒼に染まっていったのだ。すこしずつ、染まっていき半分を過ぎた頃から何が書かれてるのかがやっとわかった。







彼岸花、だ。秋に咲く、美しい紅色の花。









おじいちゃんが、好きだった花。








昔、沢山教えてくれた。









「A、彼岸花を知っているか？」







「うん！」






そう応えた私に、おじいちゃんは言ったんだ。








「皆は、あまり縁起のよくないものというがな、じいちゃんはこう思うんじゃよ」







「幸せを、運ぶ花。」



気がついたら、口に出していたみたいで央鋼さんが





「ええ、そうですねえ」


そう応えてくれた。そして、央鋼さんは自分の時計を一瞥して少し名残惜しそうにしながら






「もう、行きますね。すてきな色変わり、見せていただきました。」





そう私に告げた。





「こちらこそ、良い刀をありがとうございます。」




私もそう告げて、央鋼さんを送るため腰を起こした。

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