23*死ぬ訳にはいかない ページ25
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悠仁とはまた会えた。
私達はベンチに座って、数日前までの事を話した。
貴「……目の下に傷みたいなのある」
虎「なんかいつの間にかあった」
貴「…お爺ちゃん、最後までどんな感じだった?」
虎「いつも通り、だったけど…
遺言残して、逝っちまった」
貴「そっかー……悠仁もなんだ」
虎「その様子だと、Aもなんだな。
なんかお互い…大変な事になったな」
貴「うん…」
虎「……爺ちゃんの事、ありがとな」
貴「……ううん、私こそ。お爺ちゃんに感謝してる。
''ありがとう''って…まだちゃんと言ってなかった」
毎日のように聞こえていたお爺ちゃんの声が…もう聞こえない。
他所者である私を…家族のように見てくれた。
あの日、病院を出る前に言ったありがとうじゃ足りない
___''オマエを本当の孫娘のように思ってる''
ちゃんと幸せになれ
そして周りも相手も幸せにしろ
貴「泣きたいのは悠仁なのになぁ…っ」
虎「俺はもう泣いた。だからいいんだ…Aも泣いていい」
貴「……っ…」
座ったまま、私は蹲りながら顔を伏せて
泣いた。
そんな私の背を、悠仁は黙って背中を撫でた。
小学校の時も、私が泣いたら…いつも背を撫でたり、頭を撫でたりしてくれたね。
こんな優しい人を…死なせる訳にはいかない
私も簡単に死ぬ訳にはいかない
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_____そして、今に至る
新幹線に乗りながら数日前を振り返る。
伏「五条先生については…変な人だと思え。何考えてるかわかんねぇ人だから」←
貴「ぁ、うん。…(死にかけてる時に土産買う人だったな)」←
悠仁は執行猶予の提言に納得したらしいし、高専に行く事にした。
1年生は4人しかいないらしい。
伏「……別れの挨拶、虎杖の祖父だけでよかったのか?」
貴「……うん」
伏「先輩達とか、オマエがいた児童施設の人達とか…いいのかよ」
貴「先輩達は悠仁が挨拶してくれただろうし、施設の子供達は…最年長組がなんとかしてくれるよ」
施設にいた頃、私より下の子達の事を弟や妹の様に思っていた。あそこの最年長は私だけだったからなぁ…
施設出る時は小さい子達が泣いてた。
貴「どっかで死ぬかもしれないでしょ?私」
伏「……」
これから、そういう世界に入るんだ
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黒なっち(プロフ) - マニ。さん» ボードはここ数年いじっていませんが、少しだけならいいですよ! (1月5日 20時) (レス) id: da9851d8b5 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 黒なっちさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければボードで会話しませんか?お返事お待ちしています! (1月5日 19時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - えびふらいたこさん» 私、死にたいィィ!!教えていただきありがとうございます_:(´ཀ`」 ∠): (11月20日 13時) (レス) id: da9851d8b5 (このIDを非表示/違反報告)
えびふらいたこ(プロフ) - 楽しく読んでおりますが、一点だけ訂正をお願いします。虎杖の下の名前は「悠二」ではなく、「悠仁」です。にんべんがつきます。細かくて申し訳ありません。 (11月20日 0時) (レス) @page8 id: 5b9b42251c (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ゆきさん» 最初のコメント、ありがとうございます😋 (11月18日 20時) (レス) id: da9851d8b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2023年11月18日 1時