第103話☆流れ星 ページ14
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無事に病院に着いた。
医師に謝罪すると郁弥くんも頼みを聞いてくれたお礼と謝罪を一緒にした。
病室に戻り、私も入院着に着替えてベッドに座った。
本来なら面会時間はもう終了する時間。時間も過ぎているから郁弥くんはもう帰らなければならない。
郁「明日また抜け出さないでね」
貴「もうしないよ。七瀬くんにも言われたし。
それに明日は朝早く検査して退院できるから」
郁「じゃあ、会場にはなんとか行けるんだ？」
貴「うんっ。亜美ちゃんが迎えにくるから一緒に行くよ」
郁「そう……」
ジッと…郁弥くんは動かない。
ん？どうしたの？……と、思ったら
_____'' ギュッ"
貴「…！！」
突然郁弥くんに抱きしめられた。
その抱き方はまるで大切に、優しく包み込むような…
郁「…今日はありがとう。抜け出してまで僕と兄貴の泳ぎ見に来てくれて」
貴「…！…ぇ…と、ごめんなさい。本当に」
郁「もういいよ。具合悪くなさそうだし、Aが無事ならいい」
そのまま抱きしめながら郁弥くんは
郁「_____今日、流れ星が降るってさ」
貴「え…！」
バッと私は郁弥くんの顔を見た。
郁弥くんは少しいたずらっ子のように微笑み、口元に人差し指を当てた。
その意味は私もわかってた。
だから私も同じ笑いながら人差し指を口元に当てて見せた。
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作者名：黒なっち | 作成日時：2021年8月9日 19時
