第102話☆アスリートなら競技で ページ13
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郁弥くんが戻ってきた。
それも怒っている顔だった。
金城「あ〜、郁弥くんじゃん」
郁「Aの手を離せ。アスリートだろ、競技で戦えよ」
金城「ははっ、競泳じゃ相手にならねぇんだけど」
郁「じゃあ試してみる…?」
今の郁弥くんの眼はギラギラして金城楓を睨みつけた。
金城「高校までの俺とはちげぇよ。さすがの郁弥くんでももう勝てねえから」
郁「…(睨」
夏「_____お前、俺の弟傷つけてんじゃねえよ」
郁「兄貴…」
夏「ったく、失礼な奴だな」
?「_____まったくだ」
貴「…!」
金城「郁弥の兄貴と… それに鯨津にいた山崎宗介か。
ふっ…ほんと仲間が好きだな?そろそろ帰るよ…
_____明日の泳ぎ見てろ。お前ら全員黙らせてやる」
その言葉を残して金城楓は去って行った。
宗介「…大変だな」
日和「あれで日本記録に一番近いんだからね」
夏「厄介な奴だな」
郁「でもその先に世界がある…」
貴「……」
宗介「おい、大丈夫か?」
郁「A…」
貴「ぁ、大丈夫…」
大丈夫、なのだろうか…?
違う意味で…
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あの後、駅でそれぞれ別れた。
私と郁弥くんは病院へ向かう。
バス停で郁弥くんは先程の事を心配していた。
郁「さっき、手掴まれてたけど…ちょっと見せて」
貴「掴まれただけだよ?」
郁「それでも。はやく」
しぶしぶ軽く袖を捲って見せた。
手首が少し掴まれた跡が残っていた。
郁「金城のやつ…結構強めに掴んでる」
貴「数分すれば消えるよ」
郁「……スマホ忘れなきゃ、日和もAも傷つかなかったのに…」
貴「…ふふっ」
郁「何…?」
貴「いや、郁弥くん…本当に仲間思いが強いなぁって。
私ね、金城楓の言葉にカチンッてきたの」
郁「カチン?」
貴「そう。カチンッて」
郁「馬鹿じゃないの?」
貴「馬鹿で結構ですっ。
…明日頑張ってね…!!」
郁「わかってるよ」
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作者名:黒なっち | 作成日時:2021年8月9日 19時