56#彼が描いた絵 ページ15
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貴女side
翌日、再びあばら屋にやってきた。
ちなみにネヴィアも一緒。モルガナみたいに鞄の中にいる。不満そうにしてたけど…
ちょっと気の強い子かなって思ったら鞄の中に入れば文句とか言わなかった。
狭いところが好きとか、猫だよね…
杏が連絡を取ってくれていたのだが、喜多川くんは警戒することなく受け入れてくれたらしい。
ひとまず全員アトリエへと入れてもらえた。
杏が絵のモデルをしているが、雰囲気が良くなってきたところで本題を出す予定だ。
他の三人とモルガナとネヴィアは基本的には待っているだけという。
静かな部屋には筆で描く音しか聞こえない。
杏「ご、ごめんね。昨日の今日で…実は喜多川くんに聞きたいことが____」
祐「動かないで」
竜「そんな悠長なしてる場合じゃ____」
祐「静かに!集中が途切れる」
すごい真剣に描いてる…
杏「あ、あのね喜多川くん…」
祐「……」
杏「…聞いてる?」
祐「……」
杏「もしもーし?」
祐「……」
…何も返事しないし反応しない。
竜「聞いてねぇみたいだぞ。……なあコレ終わるまで待つのか?つか、いつ終わんだ?」
蓮「さあ…」
真剣に描いてる喜多川くんは手を止めた。
誰もが終わったと思ったら
祐「ダメだ、描けない…っ」
杏「ごめんね。やっぱり私がモデルじゃ…」
祐「やはり服を着たままでは、完璧な裸婦画にはならない」
貴「Σ !!??」
杏「Σ ら、裸婦ぅ!?」
それ目的だったの?!
竜「何考えてんだこの変態野郎!!」
祐「まだいたのか」
竜「いて正解だったよ!
お前、俺らにウソついてたよな?!」
祐「何?」
竜「隠し事は通じねぇから。あの噂、本当だよな?」
祐「ふっ、またそれか」
竜「通じねぇって言ったろ!お前の先生マジやべぇんだけど。
弟子をただの物扱い、だから盗作だろうが虐待だろうがお構いなし。
そうだろ?!」
祐「だから…!」
杏「ずっと気になってたんだ。個展の時、喜多川くん私に「こんなもの」って言ったよね?
自分の先生に、尊敬する人の絵にそんな言い方するかなって…」
杏の言う「こんなもの」と言う言葉が引っ掛かりになったのか、喜多川くんは拳を握りしめた。
杏「あの絵、本当は喜多川くんが描いたんだよね?」
祐「!」
杏「やっぱり…」
もうこれで、隠し事はできなくなった。
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Fukumin(プロフ) - 黒なっちさん» ありがとうございますぅううう!!(´;Д;`)// (2020年5月16日 16時) (レス) id: 10fe8c91db (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - Fukuminさん» よかったああああ!!\( ´ ▽ ` )/ (2020年5月16日 16時) (レス) id: 29eca2b325 (このIDを非表示/違反報告)
Fukumin(プロフ) - 報告します!イラスト出せました!本当にありがとうございます!!( ;∀;) (2020年5月16日 16時) (レス) id: 10fe8c91db (このIDを非表示/違反報告)
Fukumin(プロフ) - 黒なっちさん» ありがとうございます!(本当にありがとうございます!) (2020年5月16日 11時) (レス) id: 10fe8c91db (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - Fukuminさん» もちろんです!もしダメだったら……色々やってみます_φ(・_・ (2020年5月16日 11時) (レス) id: 29eca2b325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2020年5月8日 19時