Vox sonitus【イナアレ・野坂悠馬】 (ページ12)

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10☆サッカー部入部ページ12

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_____王帝月ノ宮スタジアム

嵐「練習を始める前に、今日は新しい部員を紹介する。

_____サッカー部マネージャーを務めることになった、篠谷 Aだ」

貴「……(ペコッ」

あの昼休みから放課後、彼女は答えを出した。

サッカー部に入る、と。

サッカー部の監督である嵐新次郎監督からは僕が話をつけた。

当然監督は篠谷さんに不信感もあった。

『耳の聞こえない小娘がマネージャーなどできるわけがない。練習の支障にもなるし、アレスの威光を傷をつけるだけだ』

と、ね。

僕は反論した。

野「お言葉ですが監督、彼女は元雷門イレブンのマネージャー。以前からサッカー部員として務めていたのなら彼女は優秀なマネージャーのはずです。

もし不快な行動をとっていたら、僕が責任を持って対処します」

嵐「ふん」

あまり信じていないようだった。

とりあえず彼女について紹介をした後、みんなは練習を始める。

野「やる事はわかる？」

貴「……(コクッ」

野「じゃあ、まずはドリンクを作ってもらおうかな。その後は記録…

…って、もうわかるか」

貴「…(コクッ」

野「じゃあ、頼んだよ」

指示を出したら篠谷さんはさっそく仕事に取り掛かる。

大量のスクイズが入った籠を持ってドリンクを作りに行く。

監督は彼女を疑っているけど、僕としては今の彼女は休むことなく一生懸命に仕事をするいいマネージャーだ。

男子に囲まれたくてマネージャーになったわけでもない。そんな女子は仕事はしないだろう。

でも篠谷さんは違う。

今日入ったばかりなのに、もうわかるくらいマネージャーとしての仕事の頑張りが伝わる。

練習メニューの時間を測る。
合図の笛を吹く。
転がってきたボールを集める。
スコア記録。
洗濯。
ドリンク作り。

すべてやりこなした。

これで監督は何も言ってこないことを祈ろう。

貴「……」

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