13射*赤の他人 ページ15
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説明会が終わり、私は静かになった道場に残っていた。
射場に立ち、オレンジ色に染まる矢道を見る。
まるで湖だ。
竹早「滝川さん」
貴「あ、竹早くん、山之内くん。今日はお疲れ様です」
遼「お疲れ!って、それよりどうしたの?みんな帰っちゃったよ?」
貴「ああ、うん…」
静「気になる?湊のこと」
貴「……まあ」
遼「え?気になるって…」
静「遼平、好意のことじゃないよ」
遼「あ、なんだ〜びっくりした」
竹早くんはお察しがいいね。
静「それで…理由を聞いてもいいかな?」
貴「早気のことよ。…昔、私の大事な人も早気になったことがあった。
私…早気になったことないからわからないけど…苦しさはわかる。
かける言葉すら…見つからないなんて、なんて私は無力なんだろうと、何度も思った」
静「……ありがとう」
貴「え?」
急にお礼を言われた。
静「湊のこと心配してくれて」
貴「……同情だよ、私の言ってること。結局は相手の苦痛なんてわからかいんだ」
遼「そうかな?俺は滝川さんのこと優しいなって思ったよ?今日会ったばかりなのに他人を心配する人っていないと思うけど…」
貴「……そうなの?」
遼「そうだよ!」
静「遼平…; 」
赤の他人なのにすぐ心配する私を変だと言わない二人。
とりあえずそういうことにしよう。
貴「……話変わるけど、よほどあなた達は彼を弓道部に入らせようとしてるね」
遼「だって俺、湊と弓道やりたいんだ!」
山之内くんは鳴宮くんと弓道をやりたい。
竹早くんは_____
貴「竹早くんは何か理由があるの?」
静「……僕は…」
貴「…………ま、理由は今度聞くよ」
遼「え?」
貴「私もう帰らないと。じゃあまた明日ね」
遼「え?え!?滝川さん!?」
私はスタスタと道場を後にした。
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黒なっち(プロフ) - ウミソラさん» ヽ(;▽;) (2019年4月14日 2時) (レス) id: 29eca2b325 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - 鈴木美貴さん» ありがとうございます!!(o^^o) (2019年4月13日 17時) (レス) id: 29eca2b325 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 黒なっちさん» 全然構いません!!!今後も更新楽しみにしています!!! (2019年4月13日 17時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ウミソラさん» 返信遅れて申し訳ありません!!!ありがとうございます!!! (2019年4月13日 17時) (レス) id: 29eca2b325 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美貴(プロフ) - 続編も楽しみに待ってます。更新頑張って下さい。 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 0740551230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2019年2月20日 1時