Past Hen106◇最期の夜 ページ22
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貴「……」
最近、梓さんがいない。
疲れが出て休んでいるのだろうか、それとも熱が出て外に出られない状態になったのか、ヒノトも私も心配だった。
ヒ「今日も…いないのかな……」
貴「わからない……ヒノト？」
ヒ「ん？なぁに？」
ヒノトの顔色が悪い。
貴「ヒノト、顔色が悪いよ。肌もこんなに冷たい……具合悪い？」
ヒ「大丈夫、ちょっと疲れてるだけ…」
貴「ちょっとって…とにかく寝てて？梓さんが来たら起こしてあげるから」
ヒ「……うん」
ヒノトを毛布の上に寝かせる。
ヒノトの肌はまるで死人のような冷たさだった。
肌の色も、よく見たら白かった。
ヒノトは生まれた時から体が弱い。
だけど、こんなに肌が冷たくなったり、顔色が悪くなるのは初めてだった。
貴「大丈夫だよ、ヒノト……お姉ちゃんが絶対に守るから。死なせたりしない」
小さな手をぎゅっと握る。
＿＿＿＿＿＿＿その日の夜が、ヒノトと最期にすごした時間だった。
地獄が足音を立てて近づいてくる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
‘‘ガチャン”
貴「…？」
ヒノトを寝かせて、私もそのままヒノトの手を握ったまま眠ってしまった。
その時、私たちを閉じ込めている扉が開いた。
外から白衣を着た大人たちが入ってくる。
貴「(なに？…どうしてこんな大勢で…)」
ヒ「んぅ？」
「よし、連れて行け」
貴「！？ま、待って！お願いヒノトは連れて行かないで！！具合悪いの！！私だけでいいから！私だけ連れて行って！！」
「ダメだ。今日は大事な実験。これが成功すれば、お前たちは素晴らしい存在になれんだ」
貴「やだやだやだ！！やめて！お願いやめて！！やめてください！！ヒノトを連れて行かないでください！！ヒノトだけでもいいから自由にしてあげて！！実験は私だけでいいから！！」
「連れて行け」
ヒ「お、お姉ちゃん！！」
貴「ヒノト！！ヒノトー！！」
私は押さえつけられ、ヒノトは研究員に連れて行かれた。
必死にあの子は手を伸ばした。
私も手を伸ばした。
でもそう手は……もう届くことはなかった。
私は泣き叫んで抵抗したが、研究員の一人が私に麻酔を打った。
体が動かなくなり、私もそのまま連れて行かれた。
貴「(助けて……梓さん…誰かっ)」
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黒なっち(プロフ) - sickさん» 救われました！！きっと！！コメントありがとうございます！！ (2018年10月25日 1時) (
レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - らててんさん» 感動していてくれたようで！！こちらもコメントに感動に感動です（；＿；） (2018年10月25日 1時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
sick - 梓さん,,,,きっと池神姉弟は貴女に救われた筈です！！！ (2018年10月25日 0時) (レス) id: 0d66d22dc9 (このIDを非表示/違反報告)
らててん - 梓さあああああんんんっ（；＿；）梓さんがウィルスで倒れちゃった時泣いてしまいました、、、まさか泣くとは思ってもいなかったんですが。。。（） (2018年8月26日 20時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - 胡蝶さん» お待たせしましたぁ！姉弟がこれからどうなっていくのか！お楽しみに (2018年6月21日 13時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒なっち | 作成日時：2017年7月18日 14時
