Past Hen101◇優しい ページ13
・
あの後、ヒノトも私と同じ部屋に来た。
顔色も悪く、フラフラなヒノトを梓さんは心配してくれた。
梓さんを見たヒノトは酷く怯えている。
同じ研究員だと思って。
貴「ヒノト大丈夫だよ？梓さんは優しいし、あのおじさん達みたいな酷い人じゃないから」
ヒ「ぅ……」
梓「……疑っちゃうわよね…大人たちに酷いこといっぱいされたんだから」
ヒ「……」
梓「でも、私は本当にあなたに酷いことはぜっっっっったいにしないからね！神様に誓って！」
ヒ「……」
ジッと梓さんを見るヒノト。そりゃあ…もう何日も酷いことされ続けてきたから、もう大人が怖くなるのも当然か。
て思ってたら
‘‘ ぐぅ〜 ”
貴「え」
ヒ「！！」
小さなお腹の音がした。
その音はヒノトのお腹の音だった。
梓「ふふ、お腹減ってるんだね(^ ^)
えっと確かポケットに……あ、あった！」
梓さんはポケットから飴玉を取り出して一つヒノトに渡した。
梓「はい、Aちゃんも！」
貴「ぁ、ありがとう、ございます」
梓「どういたしまして！ごめんね、二つしかなくて」
‘‘ ぐぅ〜 ”
今度は梓さんのお腹から音がした。
梓「あ、あはは…」
貴「何も食べてないんですか？」
梓「えへへ…実はそうなの。書類整理してたら食べる時間なくて」
ヒ「……」
梓「よし、私コンビニ行ってくる！！監視って言われてるけど、こっそり行ってもいいわよね！」
貴「怒られるんじゃ…」
梓「大丈夫よ！近くのコンビニに行くだけだから！
ご飯買ってくるから待っててね！」
そう言うと、梓さんはダッシュで部屋を出て行った。
待っててと言われても、出られないよ。
またドジ踏みそうだなぁと思いながら飴の袋を破いて飴を食べる。
あまいリンゴの味が口の中に広がった。
貴「ヒノトも食べなよ、毒も何も入ってないよ」
ヒ「……ん」
恐る恐る飴を食べるヒノト。飴を口に入れた瞬間、なぜか泣きそうな顔をした。
ヒ「…ぉ、い…しぃ」
貴「…うん」
久しぶりに飴を食べたんだよね。ここに来てから、今まで美味しい物なんて与えられていなかったから。
梓「ただいまー」
息切れをした梓さんが戻ってきた。やっぱりボロボロになってる。どうせ転んだんだろう。
貴「大丈夫ですか」
梓「大丈夫よ！いつもこうだから……って、なんで泣いてるの！？」
・
Past Hen102◇あったかい方がいい→←Past Hen100◇梓との出会い
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒なっち(プロフ) - sickさん» 救われました！！きっと！！コメントありがとうございます！！ (2018年10月25日 1時) (
レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - らててんさん» 感動していてくれたようで！！こちらもコメントに感動に感動です（；＿；） (2018年10月25日 1時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
sick - 梓さん,,,,きっと池神姉弟は貴女に救われた筈です！！！ (2018年10月25日 0時) (レス) id: 0d66d22dc9 (このIDを非表示/違反報告)
らててん - 梓さあああああんんんっ（；＿；）梓さんがウィルスで倒れちゃった時泣いてしまいました、、、まさか泣くとは思ってもいなかったんですが。。。（） (2018年8月26日 20時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - 胡蝶さん» お待たせしましたぁ！姉弟がこれからどうなっていくのか！お楽しみに (2018年6月21日 13時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒なっち | 作成日時：2017年7月18日 14時
