3話* ページ5
姫「どうですか?貴女様は生き、私は分霊を本丸に送り出せる。双方にとって悪い事はないと思いますが」
私はそれを聞き、顔を無意識に俯かせる。
確かにいい事だと思う。
私は別の人物といえどまた生きられる。
もしかしたらまたギン隊長や冬獅郎に、そして尸魂界に残してきてしまった私の大切な親友に会えるかもしれない。
でも。
それは本当に【私】だと言えるのだろうか。
…いや、迷ってはいけないのかもしれない。
それはまた生きる為の重大な選択。
それは私自身の為に必要な選択。
彼女の手を取らなければ、待っているのは完全なる死。
でも彼女の手を取れば私は恐らく【鶴姫国永と日番谷Aが混ざりあった不完全な存在】になるだろう。
どちらを取るかと聞かれれば私は…
夢『分かりました。私は貴女の分霊になります』
生きる方を取ろう。
俯いていた顔を上げ、私は彼女に了承の意を伝える。
姫「貴女様なら選んで下さると信じておりました」
彼女は上品に微笑み、そのまま私の目の前に立つ。
姫「今から貴女様の魂魄を調整致します。私の神力を貴女様の身体に流し込み…これから、人ならざるものになります。覚悟はよろしいですか?」
人ならざるもの?
そんなの上等だ。
元々死神である以上人ではないし…
たとえ別のものに変わっても、私は生きたい。
また大切な人達に会いたい。
夢『…はい』
姫「承知致しました。それでは目を瞑り、額に意識を。神力を流します」
私の額に当てられた彼女の手のひらの体温を感じながら目を瞑る。
そして額から別の温かさを感じて段々と意識が微睡んでいく。
あぁ…これから私は変わるのか。
大切な人達にまた出会えるといいな。
私の大事な親友、大事な弟、そして…だい、じ、な…
最後にある人の顔を思い浮かべたまま私の意識は微睡みの深くに落ちていった。
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緑宮瑠理(プロフ) - 死柄眼残夏さん» ありがとうございます!!このご時世なので体調に気をつけないとですよね!地道に頑張って更新していきます! (2020年6月7日 20時) (レス) id: 41f8351349 (このIDを非表示/違反報告)
死柄眼残夏(プロフ) - とっても面白いと思います!何度も読み返してしまいました!!文章の運び方などもとても読みやすかったです!応援してます!体調に気を付けながら頑張ってください!! (2020年6月7日 19時) (レス) id: 43c43a1464 (このIDを非表示/違反報告)
緑宮瑠理(プロフ) - ライアさん» 主「ありがとうライアさん。でも私だって死神だから。守ってもらうだけじゃいられないよね!」(ありがとうございますー!低速ながら地道に更新していくので待っていてくださると嬉しいです!) (2020年3月9日 18時) (レス) id: 41f8351349 (このIDを非表示/違反報告)
ライア - 主さんは、僕がまもります!!みならいなんかに、まけませんよー!作者様!これからも、更新がんばってください!おうえんしてます!! (2020年3月8日 13時) (レス) id: a938136fc3 (このIDを非表示/違反報告)
緑宮瑠理(プロフ) - ゆきなさん» 主「ありがとうゆきなさん。そう言って貰えると私も頑張らないとって思えるよ。もうちょっとだけ見守っててくれると嬉しいな」(ありがとうございますー!頑張っていきます!) (2020年3月8日 1時) (レス) id: 41f8351349 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緑宮 瑠理 | 作成日時:2019年4月26日 3時