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8話 ページ10

キヨside



夢「は、初めまして!妹の香坂Aと申します!」


Aと名乗った女の子は少し強ばった笑みをみせた。


キ「…A」


その名を聞き俺が思い浮かべるのは最愛の人。


今はもう決して会えない人。


俺は中学生ながらにして彼女の事を愛していた。


いや、今も愛している。


彼女を失った時は辛くて苦しくて心まで失いかけた。


そんな俺を救ってくれたのが高校の時に出会ったフジとヒラとこーすけだった。


俺の話を真剣に聞いてくれて俺に『ゲーム実況』という道を示してくれた。


あいつらには本当に感謝している。


牛「よろしくなAちゃん。俺は牛沢。好きなように呼んでくれ」


ガ「俺はガッチマンだよ。皆にはガッチさんって呼ばれてるかな。よろしくね」


夢「よろしくお願いします!えーと…牛沢さんとガッチさん?」


うっしーとガッチさんが自己紹介している間、俺は隣にいるフジを見る。


フジも俺の方を向いていた。


最俺のメンバーには名前も伝えていたから心配しているのだろう。


俺がまた思い出して辛い思いをしないかと。


端的に言うと少し思い出した。


目の前の女の子と俺の大切な人が少し重なった。


見た目とか全然似てないのに。


なんでだろうな。


フ「初めまして。フジです。よろしくね!Aちゃん、でいいのかな?」


夢「はい大丈夫です!よろしくお願いしますフジさん」


いつの間にか皆自己紹介が終わっている。


俺もしねーと。


キ「えーと…キヨ、です。その…よろしく」


フ「口下手かよ」


フジがそう言ったような気がしたがスルーしておく。


夢「はい。よろしくお願いしますね。…キヨさん」


俺の名を呟いた彼女は少し寂しそうに見えた気がした。

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作者名:緑宮 瑠理 | 作成日時:2019年12月22日 0時

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