『実.況.者』もう一度貴方に。『ky』 (ページ3)

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1話ページ3

私が『それ』に気づいたのは中学3年生の時。

初めは夢で見た妄想だと思っていた。

私が行ったこともない場所。

全く会ったこともない人。

知らない場所で知らない人達に囲まれて嬉しそうに笑う『私』。

でもその私は今の私と似ているようでどこか違う。

そして場面は変わり病院の一室。

私がベッドで横になっていて顔には呼吸器が着いている。

さっきとは違い傍にいるのは男の子一人だけだ。

その子は泣いていた。

でも必死に笑おうとしていた。

私は男の子を見ていた。

そうしているとだんだん私の瞼が落ちてくる。

瞼が落ちきった時その記憶は終わる。

似たような記憶を何度も何度も思い出す。

なぜか私は幼い頃から自分の知らない記憶を持っていたんだ。

なんでこんな記憶があるか分からなくて自分でいろいろ調べていた。

そしてひとつの結論にたどり着いた。

『転生』

それは肉体が生物学的な死を迎えた後に、非物質的な中核部については違った形態や肉体を得て新しい生活を送るという、哲学的、宗教的な概念。

つまり前世の記憶を持ちながら生まれ変わったということ。