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ふぅ、、、と、翔太は早まる鼓動を抑えるように深呼吸した。
「あのさ、今、Aって付き合ってるやつとかい「A!!」
いつも温厚で、怒ったところは見たことがない。
優しくてかっこよくて自慢の彼氏。そんな彼の大声で私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
咄嗟に反射するように思わず翔太から離れて声がする方を見ると、暗くてシルエットでしか写らない。
でも、あの猫背、あのスタイル…
いやまさか、ここにいるわけがない。
何度もそう思い込むけれど何度見てもそこに立っているのは彼氏である辰哉だった。
少し距離がある。
そして暗いから、だから彼の表情は目を凝らしてもわからない。
でも……雰囲気からは怒っている。
だって、さっき来た辰哉からのLINEに私は「今お風呂上がり」と、送ったから。
何故ここにいるのか。
先程のLINEは嘘だったのか。
嘘が嫌いなことを知っているのに何故辰哉に嘘をついたのか。
________そして、何故隣に翔太がいるのか。
毎日聞いていた愛おしいはずの彼氏の声は
今このタイミングで最も聞きたくなかった声だった。
「久しぶりだな、翔太」
辰哉が近づく。
それと同時に私の視線は下に落ちていく。
「A…」
私の前に立ち止まり名前を呼ばれるとさっきとは違った意味で鼓動が早くなる。
『…た、たつや…ごめんなさい…』
辰哉が姿勢を低くして私と視線を合わせてくれた。
色んな感情がごちゃごちゃになって目には涙を溜めている私を見ると何にも言わずに彼は手を引いた。
「は?えっちょ、ふっか、待って」
スタスタと歩く辰哉は低い声で返事をして足を止めて振り返った。
「…なに?」
『あ、の、翔太、ごめんなさい。私、たつやと「翔太ごめん、ちょっと後で連絡するわ」
私の言葉は遮られて辰哉が乗ってきたタクシーに背中を押されて乗せられた。
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saku - ふっかさん最高じゃないですか!ほんっとにあわあわ言いながら興奮してました笑 (2022年2月27日 23時) (レス) @page41 id: e57b15e16c (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - ちょっと影があるようなふっかさんとの展開気になります🥺🥺❗️ (2022年2月22日 2時) (レス) @page35 id: f159bcba7d (このIDを非表示/違反報告)
みきぽん(プロフ) - ここ数話で全然角度変わってきちゃってビックリしましたwww彼はこういう役似合いますね…ヤバくても最高と思わせてくるあたりがスゴい…笑 (2022年1月27日 21時) (レス) @page20 id: d15824612d (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - 初めまして、読ませていただきました。普段コメントとかしないのですが、これはヤバいですね!続きが気になります!執筆頑張って下さい! (2022年1月27日 15時) (レス) @page20 id: 3d8af2fe42 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃいい人じゃんと思ってルンルンで読み進めていたらとんでもない人で絶句しました笑 どこで真実に気づくのかそれとも真実に気づくことなく終わるのか楽しみです! (2022年1月24日 21時) (レス) @page18 id: 689210a836 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルナ | 作成日時:2022年1月23日 17時