可愛い同期

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久しぶりに一緒にご飯を食べて面と向かって喋る。
同棲してても最後らへんはすれ違ってたからな…なんて思いながらも思い出話に花を咲かせた。




途中、Aのスマホが鳴って誰かに返信している時、強張った表情をしていたけれど。

相手が誰なのか、その内容は…
なんて余計なこと考える余裕は無かった。



「A？なんかあった？」

『うぅん、なにも！あ、なんの話してたっけ？(笑)』
って明るく振る舞うから特に詮索はしなかった。




...



時間はあっという間に過ぎてそろそろ22時。
本当はもっと話していたいけどここは紳士に。

駅のホームでAの乗る電車を待った。



冷たい夜風に当たっても何も感じないのも、
胸の鼓動がうるさいのも、アルコールのせいからか。


それとも、隣に好きな子がいるからか。





あと1分もすれば電車が来て隣からいなくなってしまう。

連絡先はさっき交換した。

消されていた彼女のスマホには、俺の名前の連絡先もある。きっといつでも連絡は取れる。


でも…






「…あのさ、今更なんだけど、」


声が震えないように身体に力を入れた。





「あの時、本当は…浮気なんてしてないから。」

『え？』


「信じてくれとは言えないし言わない。
でも誤解されたままじゃダメだと思って。」





遠くから電車が近づく音が聞こえる。

引き止めることもできるのに、振り払われてしまうのが怖くて帰るように促すことしかできない。




「ほら、電車きたぞ。気をつけて帰れよ。」
背中を押すように電車に乗せる。

「また連絡するから」




何か言いたげな彼女の表情を見つめて手を振った。

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