__ ページ21
_you_
辰哉くんの言われた通り、会社で翔太とすれ違っても、目が合っても、無反応の日が続いた。
浮気したのは翔太なんだし、どうして私が顔色伺わなきゃいけないの？とか、
そのうち “ごめん、許して” って言ってくると思ってた。
翔太は意地っ張りなところがあるけど、
これは別れの危機だよ？
いつもの、お菓子勝手に食べた〜！レベルの可愛い争い事じゃないんだよ？
流石に私達の “2年間” という時間を無駄にする男だとは思えなかった。
だから余計に、社内でのいつも通り何事もなかったかのような反応や、私のことなんて気にもしていない翔太に腹が立った、というか呆れに近いのかもしれない。
今まで仲良く喋っていたのに急に不穏な空気になれば、周りは気付くようで心配して声をかけてくれる人もいた。
部署の人に別れたことを告げるとあっという間にそれは広がり、知らない人はいないような状況になった。
.
それから変わったのは翔太の方で、すれ違う時にやたらと視線を送ってきたり、話しかけてオーラを感じるようになった。
急に何？浮気して離れていったのはそっちでしょ？と心の中で言い聞かせた。
辰哉くんも、翔太とはもう話さないほうがいいよ。と私の味方をしていてくれる。
今日だって、ほら。
私の部署の近くの給湯室でわかりやすく休憩している。
会社はフロアごとに数箇所休憩スペースなどが設けられていて、翔太と私の部署はかなり距離がある。
自分の部署近くの給湯室を使えばいいいのに。
そう思っているとバチっと目があって、つい目を逸らしてしまう。
やば、私超感じ悪い子…
給湯室まであと10歩もなかったけどUターンして早歩きで部署に戻る。
…後ろからは私を呼ぶ声が聞こえるが聞こえないフリをした。
ねえ辰哉くん、なんで翔太はこんなことをするの？
変に期待しちゃうじゃんね。
私たち、もう終わったはずなのに、私はまだ完全に忘れきれていない。
____
今日も飲みながら辰哉くんに甘える。
「なんなの翔太！ってかんじ…私の気も知らないでさぁ〜」
こんな別れた彼氏に未練タラタラの酔っ払い女の話も聞いてくれて。
うんうん、と相槌を打ち頷きながら喉を鳴らしながらビールを飲む辰哉くんに、思わず言ってしまった。
「辰哉くんが彼氏ならよかったのに」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
saku - ふっかさん最高じゃないですか！ほんっとにあわあわ言いながら興奮してました笑 (2022年2月27日 23時) (
レス) @page41 id: e57b15e16c (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - ちょっと影があるようなふっかさんとの展開気になります🥺🥺❗️ (2022年2月22日 2時) (レス) @page35 id: f159bcba7d (このIDを非表示/違反報告)
みきぽん(プロフ) - ここ数話で全然角度変わってきちゃってビックリしましたwww彼はこういう役似合いますね…ヤバくても最高と思わせてくるあたりがスゴい…笑 (2022年1月27日 21時) (レス) @page20 id: d15824612d (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - 初めまして、読ませていただきました。普段コメントとかしないのですが、これはヤバいですね！続きが気になります！執筆頑張って下さい！ (2022年1月27日 15時) (レス) @page20 id: 3d8af2fe42 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - めちゃくちゃいい人じゃんと思ってルンルンで読み進めていたらとんでもない人で絶句しました笑 どこで真実に気づくのかそれとも真実に気づくことなく終わるのか楽しみです！ (2022年1月24日 21時) (レス) @page18 id: 689210a836 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルナ
| 作成日時：2022年1月23日 17時
