正直な気持ち ページ49
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ミンソクに抱えられるようにして、というかほとんどミンソクの力だけで部屋へ帰った。
「…まだ、いるな」
私をソファーに座らせたミンソクが、カーテンの隙間から外を覗く。
「すぐ帰るよ‥」
そう言うと、じっと外を見ていたミンソクが怒ったような顔で振り向いた。
「Aなんで？」
「…何が？」
全く頭が働かないというのに、ミンソクが怒ってる理由も『なんで』と問われる理由も分かる訳もなく、聞き返した。
ミンソクは、カーテンをきちんと閉め直してこちらに体を向けると、腕組みして更に不満そうにする。
「なんであんなこと言ったんだよ？『お互い様』なんて」
「だって、私もミンソクん家泊まったし」
「それは全然違うだろーが」
感情的なミンソクの声に、また心臓が速く動き出して、抑えてたものがじわじわと高ぶり始める。
「違わないよ」
「違うだろっ」
「なんでそんなに怒ってるの‥」
「だって悪いのはあいつだろ？全て何もかも。裏切られたのになんで、」
「違う、」
「…何がだよ」
違うんだって、力なく首を振る。
「……私ね、本当はずっと寂しいって思ってた」
高ぶって震える手をそっと膝の上で重ね、ピンク色したネイルに視線を落とす。
「髪の毛を切っても、新しい服着ても気付いてくれないし。作ったご飯だって『どう？』って聞かなきゃ『美味しいよ』って言ってくれないし‥」
週末はいつも、家でテレビを見てだらだら過ごして。
外でお洒落してデートするなんて最近ずっとずっとなかった。
「将来の話をしないのも、結婚の話を避けてるのも、本当はね、どこかで気付いてた‥」
黙ってるミンソクの方を向くと、小さく頷いて「聞いてるよ」と言った。
「…でも」
重ねる手を、握る。
「昨日、嘘つかれた、裏切られたって…思ったんだけど」
「うん…」
「だけど、目の当たりにして。あんなに好きだと思ってたのに…ただ嫌悪感しか抱けなかった」
正直な気持ちを吐き出したら、一緒に涙までこぼれ落ちた。
視界が滲んで、眉をひそめるミンソクの顔が揺れる。
「顔も見るのも嫌だって。あれほど結婚したいって、ずっと思ってたはずの人に‥」
「それほどショックだったんだろ」
「違うっ、」
違ったんだ。
朝、夢から覚めた時だって、夢でよかったって安堵しちゃうくらい。
瞬きをする度に、ポロポロと涙が落ちていく。
「本当は…っ、気持ちが冷めてたのは私の方だったんだって、」
気付いちゃったんだ。
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エリ(プロフ) - こんばんは。このお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。しうちゃんのお部屋、公開されて真っ先に思ったのがマリアージュの部屋だ！と。しゅしゅさんまた続編書いていただけませんか？笑 ほんとに好きなんです。待ってます！ (2019年5月4日 0時) (
レス) id: 0581c9356e (このIDを非表示/違反報告)
むあ??(プロフ) - 久しぶりですこんなに泣いたり笑ったりしながらお話読んだの。本当に感動しました。キュンキュンしたし何より幸せでした。素敵な時間ありがとうございます！！ (2018年11月5日 20時) (レス) id: bff18baa55 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - ひつじさん» 寝るためだけの家なのでリビングは寛げないですが、ミンソクのベッド、最高級です…おふっ(お願い寝かせて)ぐったりですよね、二人共…。明日からどうなるやら…。引き続き読んでいただけますように…(^^) (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - yumiさん» yumiさん初めまして(^^)作品読んで下さりありがとうございます。…ひぃっ…！！ハワイアンシウミンに会ったんですか…？！しゅ、しゅげえ(拝)そうなんです、しうちゃんただ歩いてるだけなのに宇宙一かっこいいんですよね(？)引き続き、楽しんでいただけますように…！ (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 寛げないリビング…予定外の流れ弾…（笑）わかり易過ぎる位の 表現ですね。二人とも ぐったり疲れた心と体を 休めて欲しいですね。ミンソクのベッド 寝心地いいだろうなぁ…♪ (2016年9月7日 10時) (レス) id: 6fa124c712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅしゅ
| 作成日時：2016年8月30日 22時
