鏡に映る私 ページ37
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案内された脱衣所で、
スライド式の収納扉を次々と開けていくミンソク。
「タオルはここ。あとは、あるもん好きに使っていいから。あ、歯ブラシは？」
「いつも携帯してるのがあるから大丈夫」
「よし。これ着替え、な」
左手に抱えられていた物が洗面台の上に置かれる。
「着替えまで…悪いよ」
「今更。それに、その格好じゃ寝れないだろ」
自分の格好を見下ろす。
ノーカラーのジャケットの下は、
Ｖネックのブラウスにハイウエストの膝丈タイトスカート
普段カジュアルな通勤スタイルのくせに。
よりによって、今日に限って商談の付き添いがあったという、自分のタイミングの悪さに嫌気がさす。
確かに寝れる格好じゃないけど、
どうせ既にヨレヨレだしそれになんかもう今日は…
「別にこの格好でも、」
「もうどうでもいいんだろうけど」
またそうやって心を見透かすんだ。
でもその通りだし、反論する気力もなかった。
ボーッとそのままでいると、おでこをペチと叩かれた。
「そんなのAらしくない。ほら、シャワー浴びてスッキリして来い」
洗面所のドアが閉まったのを確認して、
明るく照らされた大きな鏡を見つめる。
さっきまで酔っ払って赤々していた顔が嘘みたいに、血の気が引いて真っ白だ。
酷い顔…
何度も襲ってきた吐き気のせいで、アイラインも滲んでる。
ぶすい…
情けない姿に尚更嫌気がさした。
「はぁ………」
もう嫌。
全てが嫌になった。
全て。
何より自分が嫌になった。
なのに涙は出てこない。
ううん、涙すら出てこないんだ…
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ガラス扉に仕切られたバスルームで熱いシャワーを浴びた私は、タオルで拭きながら収納棚を遠慮がちに開けていく。
あるもん使えって言われたけど、
置いてあるの、メンズ物だけじゃん…
誰か泊めた時の女物とか残ってないわけ？
お母さまの物とかさぁ。
ふとタクシーの中での会話が頭をよぎる。
泊まりに来たりしないのかも…
仕事人間て言ってたし、まだ現役でバリバリ働いていてもおかしくない。
頑なに結婚を拒むほどの傷の深さ。
家族の思い出がないって、どんな気持ちなんだろう？
可愛い弟も居て、ミンソクの言う通りぬくぬく育った私には少しも理解できないけど。
タクシーの中で見せた表情を思い出して、またギュッと心が締め付けられた。
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エリ(プロフ) - こんばんは。このお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。しうちゃんのお部屋、公開されて真っ先に思ったのがマリアージュの部屋だ！と。しゅしゅさんまた続編書いていただけませんか？笑 ほんとに好きなんです。待ってます！ (2019年5月4日 0時) (
レス) id: 0581c9356e (このIDを非表示/違反報告)
むあ??(プロフ) - 久しぶりですこんなに泣いたり笑ったりしながらお話読んだの。本当に感動しました。キュンキュンしたし何より幸せでした。素敵な時間ありがとうございます！！ (2018年11月5日 20時) (レス) id: bff18baa55 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - ひつじさん» 寝るためだけの家なのでリビングは寛げないですが、ミンソクのベッド、最高級です…おふっ(お願い寝かせて)ぐったりですよね、二人共…。明日からどうなるやら…。引き続き読んでいただけますように…(^^) (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - yumiさん» yumiさん初めまして(^^)作品読んで下さりありがとうございます。…ひぃっ…！！ハワイアンシウミンに会ったんですか…？！しゅ、しゅげえ(拝)そうなんです、しうちゃんただ歩いてるだけなのに宇宙一かっこいいんですよね(？)引き続き、楽しんでいただけますように…！ (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 寛げないリビング…予定外の流れ弾…（笑）わかり易過ぎる位の 表現ですね。二人とも ぐったり疲れた心と体を 休めて欲しいですね。ミンソクのベッド 寝心地いいだろうなぁ…♪ (2016年9月7日 10時) (レス) id: 6fa124c712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅしゅ
| 作成日時：2016年8月30日 22時
