冷却 ページ33
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何度も、何度もこみ上げる吐き気。
止まない頭痛と胃の痛みに意識が朦朧としてくる。
もしかして夢なんじゃ…と思ったりして。
夢だったらいい。
目が覚めたら自分のベッドに横たわってるの。
「なんだ、夢か」ってお決まりの台詞で。
夢だったら、夢だったら…
でも、朦朧としてるくせに、目が霞むくせに、鮮明すぎる残像が繰り返し浮かび上がるんだ。
…っう、ぇ…
「はあ……何回吐いてんだよ」
背中から聞こえるのはシャープ過ぎる、深いため息と呆れた声。
「ほら、水」
乱暴に突き付けられる、ペットボトルの冷んやりとしたクリアな感覚。
とりあえず夢では、ないらしい。
「飲み過ぎなんだよ馬鹿」
…違う
「ろくに食べずにアホみたいにワイン飲んで…」
「違う」
身体を起こして、ミンソクの方を振り返る。
腕組みしながら見下ろされるのも、もう見慣れたものだ。
「違うの、」
「何が違うんだよ」
「違うんだもんっ」
首を振る。
上手く言えなくて、クラッとしながらただ何度も首を横に振った。
「あーもうっ…分かったからストップ。また気持ち悪くなるぞ」
一度私に渡した水を「貸せ」と奪うと、キャップを外してまた渡してくる。
「いいから飲んで落ち着け」
言われるがままに口元へ持って行き、水を流し込む。
「ゆっくり飲めよ、また吐くぞ」
喉を通り過ぎて入ってくる冷たい水。
ぐちゃぐちゃどろどろの感情で熱くなった身体が、スーッと冷めていくようだった。
そう。
スーッと一気に冷めていく＿＿＿
そんな感じをハッキリと、認識した。
「それにしても、このタイミングの悪さ」
「…いや、そんなことないよ」
落ち着きを取り戻した私の言葉に、ミンソクがじっと耳を傾けてるのが分かる。
「だって、例えば今ここに着いたとして…部屋に行ったらもっとタイミング悪い気がする」
よくあるじゃんか、そういう話…
「…変な想像すんなよ」
「ミンソク…」
何？と眉毛を少しだけ上げる。
「ヨンスが煙草吸ってるって…知ってたんだよね？」
だから居酒屋に着いた時、あんなこと言ったんだ。
「あー……まあ…な。Aと2人で居るのは一度見たきりだけど、その後も何度か見かけたから」
喫煙所を指差して「あそこで吸ってるの」って、付け足すミンソク。
叔父様に借りてる部屋だから、外でしか吸わないのだろう。
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エリ(プロフ) - こんばんは。このお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。しうちゃんのお部屋、公開されて真っ先に思ったのがマリアージュの部屋だ！と。しゅしゅさんまた続編書いていただけませんか？笑 ほんとに好きなんです。待ってます！ (2019年5月4日 0時) (
レス) id: 0581c9356e (このIDを非表示/違反報告)
むあ??(プロフ) - 久しぶりですこんなに泣いたり笑ったりしながらお話読んだの。本当に感動しました。キュンキュンしたし何より幸せでした。素敵な時間ありがとうございます！！ (2018年11月5日 20時) (レス) id: bff18baa55 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - ひつじさん» 寝るためだけの家なのでリビングは寛げないですが、ミンソクのベッド、最高級です…おふっ(お願い寝かせて)ぐったりですよね、二人共…。明日からどうなるやら…。引き続き読んでいただけますように…(^^) (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - yumiさん» yumiさん初めまして(^^)作品読んで下さりありがとうございます。…ひぃっ…！！ハワイアンシウミンに会ったんですか…？！しゅ、しゅげえ(拝)そうなんです、しうちゃんただ歩いてるだけなのに宇宙一かっこいいんですよね(？)引き続き、楽しんでいただけますように…！ (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 寛げないリビング…予定外の流れ弾…（笑）わかり易過ぎる位の 表現ですね。二人とも ぐったり疲れた心と体を 休めて欲しいですね。ミンソクのベッド 寝心地いいだろうなぁ…♪ (2016年9月7日 10時) (レス) id: 6fa124c712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅしゅ
| 作成日時：2016年8月30日 22時
