隙のない女 ページ16
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ここ2、3年、結婚の報告や噂話を聞く事がぐんと増えた。
地元の友人や、高校、大学の同級生。
つい先月も、高校時代の仲良かった友人が婚約してお祝いしたばかりだ。
集まった5人のうち2人は、もうすぐママになる。
つまり、独身は私ともう1人だけということ。
「Aが絶対一番に結婚すると思ってた」
みんなで集まる度、いつも決まって掛けられる台詞。
投げ掛けられる度に、笑って跳ね返すのが大変なんだ。
なんと言うか…色々消耗しちゃう。
だって、
私もそう思ってた。
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「…と、ちょっとA〜？」
「っえ？なに？」
テーブルを挟んで向かい側に座るシアの声に、慌てて顔を向ける。
同時に、ガヤガヤとした騒がしさに、ここは会社だという事を理解した。
いけない、ボーッとしてた。
「もう…『なに？』じゃないよA。肉団子見つめたままお箸止まってるけど」
手元に視線を落とす。
本当だ。シルバーのお箸がBランチの肉団子をつまんだまま静止している。
「土日寝すぎたかな…ぼーっとしちゃった。はは」
「珍しいね、いつも隙のないAサンが」
オムライスを頬張るジョンデがからかうように微笑みかける。
「やめてよそれ」
せっかく動き出した、肉団子箸がまた口元で一時停止する。
ジョンデの中で私は“隙のない女”らしい。
前にどういう事？と聞いたら「うっかりお尻でも触ったらビンタされそう」って。
それ隙関係ない。するする、絶対ビンタする。
「確かに隙がない」
「もーウンビまで…やめて」
やっとのことで、口の中に放り込まれたお気に入りの甘辛の肉団子。
ん、美味し。
「褒めてるんだよ。仕事も出来て、付き合いの長い彼氏もいてー。でも、いつもきちんと指先まで綺麗にしてるし。お、珍しく可愛いピンク」
ウンビが私の左手を持ち上げた。
「…ねぇA?旦那とさ、上手くいってるよね？」
少し前のめりの体勢になったシアから、小声で発された不意打ちの質問に「へ？」と変な声が出た。
「うん…なんで？」
？
なんでいきなり？
「いや…なんか珍しくボーッとしてるし。喧嘩でもしたかなぁって…」
「そうそう…大好きなBランチ進んでないし」
横から覗き込むウンビまで神妙な面持ちだ。
「ううん、してないよ」
「よかった」と安堵する二人を見て、何故か逆に安堵させられた気がした。
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エリ(プロフ) - こんばんは。このお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。しうちゃんのお部屋、公開されて真っ先に思ったのがマリアージュの部屋だ！と。しゅしゅさんまた続編書いていただけませんか？笑 ほんとに好きなんです。待ってます！ (2019年5月4日 0時) (
レス) id: 0581c9356e (このIDを非表示/違反報告)
むあ??(プロフ) - 久しぶりですこんなに泣いたり笑ったりしながらお話読んだの。本当に感動しました。キュンキュンしたし何より幸せでした。素敵な時間ありがとうございます！！ (2018年11月5日 20時) (レス) id: bff18baa55 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - ひつじさん» 寝るためだけの家なのでリビングは寛げないですが、ミンソクのベッド、最高級です…おふっ(お願い寝かせて)ぐったりですよね、二人共…。明日からどうなるやら…。引き続き読んでいただけますように…(^^) (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - yumiさん» yumiさん初めまして(^^)作品読んで下さりありがとうございます。…ひぃっ…！！ハワイアンシウミンに会ったんですか…？！しゅ、しゅげえ(拝)そうなんです、しうちゃんただ歩いてるだけなのに宇宙一かっこいいんですよね(？)引き続き、楽しんでいただけますように…！ (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 寛げないリビング…予定外の流れ弾…（笑）わかり易過ぎる位の 表現ですね。二人とも ぐったり疲れた心と体を 休めて欲しいですね。ミンソクのベッド 寝心地いいだろうなぁ…♪ (2016年9月7日 10時) (レス) id: 6fa124c712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅしゅ
| 作成日時：2016年8月30日 22時
