広がらない話題 ページ15
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良い香りが部屋中いっぱいに広がる。
癒されるなぁ。幸せだなぁ。
「ヨンスー？お砂糖は？」
「入れてー」
この前ウンビと行ったラドリオで買ったコーヒー豆。
少しお高めだけど、マスターのおじいちゃまが絶対美味しいからと勧めてくれたものだ。
ヨンスの方にだけお砂糖一つ入れて、
ローテーブルまで溢れないように慎重に運ぶ。
ソファーでくつろぐヨンスの隣に腰を下ろして。
二人で飲もうと楽しみに取っておいたそれに、ゆっくりと口をつける。
「…んーーっ！」
わぁぁ…美味しいっ！
思わず足をバタつかせた。
わわ。柔らかくてマイルドなのに深みがあるのが素人にも分かる。
きっとあの優しそうなお髭のマスターが、焙煎機と向き合って丁寧に焼いた豆なんだろうなぁ…
「…なに？びっくりした」
「ねえ、このコーヒーすごく美味しくないっ？」
「ん？ああ、美味しいね」
「……それだけ？びっくりする程美味しくない？」
「美味しいけど、いつもと違うの？」
テレビに視線を向けたままサラりと言う彼。
そして口が開いたまま固まる私。
そうだった…
この人、甘い缶コーヒーが最強だと思ってる人だった。
レタスとキャベツの違いが分からない人だった。
豚肉と牛肉すらも時々間違える人だった…！
一緒に美味しいコーヒー飲もうって、
今日まで楽しみに取っておいた私が馬鹿だった。
ふぅ…
気を取り直して、最高に美味しいコーヒーを再び口に含んだ。
ふと目に入ったのは、テーブルの片隅にまとめてある郵便物の山。
「…そーいえばさ」
「んー？」
「ユラが…結婚するんだって…招待状来たの」
一番上の立派な封筒を指差す。
「ユラって、シン・ユラ？」
「そうそう、医大行った秀才ユラ」
「へーー、あのユラが結婚なんてなぁ」
高校時代のユラは、
「恋愛なんてままごとしてる暇あったら参考書読んだ方がまし」とか言っちゃう、ちょっと女子高生らしからぬ変わった子で。
「本当だよね…」
確かに結婚なんて、あの頃のユラからは想像も出来なかった。
でも…卒業して8年経つんだ。
8年だもん。
世の中において不可能と思われてたことだって、当たり前に出来るようになっちゃう位の…長い長い月日だよ。
時代は流れているのだから。
「ふ…あははっ」
再びバラエティ番組に集中するヨンスに、
それ以上ユラの話は出来なかった。
ユラの話…？
ううん、違う。
出来なかったのは、躊躇ったのは、
“結婚の話”
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エリ(プロフ) - こんばんは。このお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。しうちゃんのお部屋、公開されて真っ先に思ったのがマリアージュの部屋だ！と。しゅしゅさんまた続編書いていただけませんか？笑 ほんとに好きなんです。待ってます！ (2019年5月4日 0時) (
レス) id: 0581c9356e (このIDを非表示/違反報告)
むあ??(プロフ) - 久しぶりですこんなに泣いたり笑ったりしながらお話読んだの。本当に感動しました。キュンキュンしたし何より幸せでした。素敵な時間ありがとうございます！！ (2018年11月5日 20時) (レス) id: bff18baa55 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - ひつじさん» 寝るためだけの家なのでリビングは寛げないですが、ミンソクのベッド、最高級です…おふっ(お願い寝かせて)ぐったりですよね、二人共…。明日からどうなるやら…。引き続き読んでいただけますように…(^^) (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - yumiさん» yumiさん初めまして(^^)作品読んで下さりありがとうございます。…ひぃっ…！！ハワイアンシウミンに会ったんですか…？！しゅ、しゅげえ(拝)そうなんです、しうちゃんただ歩いてるだけなのに宇宙一かっこいいんですよね(？)引き続き、楽しんでいただけますように…！ (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 寛げないリビング…予定外の流れ弾…（笑）わかり易過ぎる位の 表現ですね。二人とも ぐったり疲れた心と体を 休めて欲しいですね。ミンソクのベッド 寝心地いいだろうなぁ…♪ (2016年9月7日 10時) (レス) id: 6fa124c712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅしゅ
| 作成日時：2016年8月30日 22時
