喫茶ラドリオ ページ10
.
ラドリオ……？あ。
「このお店知ってるの？」
「たまに行くよ。ここのコーヒー美味くて」
さっきまでの疲れ顔は何処へ。
「まじかー」と嬉しそうにサンドイッチとアイスコーヒーを取り出す。
「そうなの、その水出しのコーヒー美味しかったから。サンドイッチも具沢山だしパンもふかふかで…」
「うん、このダッチコーヒーが売りなんだよ。そう、料理も美味いんだよな。あー急に腹減ってきたっ」
目を細めて笑う顔は、悔しいけどやっぱりかっこいいと思う…うん、非常にタイプだ。
顔は、ね。顔だけ。
「…なに？」
ジロジロ見すぎたようだ。
「いや…ただ、食べ物の趣味だけは合うなと」
「まーた可愛げなく。せっかく俺が、」
アイスコーヒーに挿したストローをくわえながら、
ちょいちょい、とパソコンを指差す。
「？？」
何だろうと近づいて見ると…
画面いっぱいに広がるもの。
それは、まさにこれから私が取り掛からなきゃいけないもので。
「うそ…企画書？」
「適当に企画案並べてみただけだよ。でも、こっからなら今日中に出来上がるだろ？Aなら。」
…なにこれ…
並べただけって？
提案の見せ方も強調するポイントも、文句無しの内容じゃない…！
「すごい、完璧だよ。添付する資料はもう集めてあるし、あと1時間もかからないと思う」
「流石だな。じゃ、パソコンに送っとくわ」
サンドイッチを頬張りながら、マウスに手を伸ばす………いや、伸ばしかけて「あ、」とその手を止めて振り返った。
「言っとくけど。これは俺が勝手にしたことだから、借りとか思うなよ？」
＿＿＿＿“借りは作らない主義なので”
うーん…でも。
良いのだろうか、という気持ちが頭のなかで巡る。
だって、本来これは私が任されていた仕事。
それをここまで手伝ってもらって…
そんな私の心の内を見透かしたように、目を細める。
「やっぱり借りにしとくか」
「なんでよっ？！たった今、」
借りとか思うなよって！
「だって、あと1時間もかからないんだろ？これのお陰で。俺のお陰で」
「わー恩着せがましい！！」
あ、…やば。
凛々しい眉毛が、ピクと動いたと思ったら再びパソコンに体を向ける。
そしてマウスの方へと伸ばされる手…
「ゴミ箱にと、」
「わーわーわーっ！お願いやめてー！」
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エリ(プロフ) - こんばんは。このお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。しうちゃんのお部屋、公開されて真っ先に思ったのがマリアージュの部屋だ！と。しゅしゅさんまた続編書いていただけませんか？笑 ほんとに好きなんです。待ってます！ (2019年5月4日 0時) (
レス) id: 0581c9356e (このIDを非表示/違反報告)
むあ??(プロフ) - 久しぶりですこんなに泣いたり笑ったりしながらお話読んだの。本当に感動しました。キュンキュンしたし何より幸せでした。素敵な時間ありがとうございます！！ (2018年11月5日 20時) (レス) id: bff18baa55 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - ひつじさん» 寝るためだけの家なのでリビングは寛げないですが、ミンソクのベッド、最高級です…おふっ(お願い寝かせて)ぐったりですよね、二人共…。明日からどうなるやら…。引き続き読んでいただけますように…(^^) (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - yumiさん» yumiさん初めまして(^^)作品読んで下さりありがとうございます。…ひぃっ…！！ハワイアンシウミンに会ったんですか…？！しゅ、しゅげえ(拝)そうなんです、しうちゃんただ歩いてるだけなのに宇宙一かっこいいんですよね(？)引き続き、楽しんでいただけますように…！ (2016年9月8日 10時) (レス) id: 93830427c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 寛げないリビング…予定外の流れ弾…（笑）わかり易過ぎる位の 表現ですね。二人とも ぐったり疲れた心と体を 休めて欲しいですね。ミンソクのベッド 寝心地いいだろうなぁ…♪ (2016年9月7日 10時) (レス) id: 6fa124c712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅしゅ
| 作成日時：2016年8月30日 22時
