16話 ページ17
慌てたようにまふくんが覗き込んでくる。ほんとうに…心配そうに。
「なっ、大丈夫？どうした？」
「ううん…大丈夫、嬉しくて」
しっかりと私の目を捉えて聞いてくるまふくんに、すこしどきっとする。
恋愛とかではなく、…見透かされている気がして。そらるさんといいまふくんといい、隠し事ができない。
偶然出会っただけの私がこんなに有名な方と一緒にいるなんて、バチが当たりそうだ。
「俺はAが好きだから、一緒にいたいと思ったから家に連れてきた。…付き合ってってのは、冗談…だけど、でも、そうでもしないとお前、どっかいっちゃいそうでさ」
揺れ動く私の心を捉えたのは、そんな彼の台詞だった。正直冗談で安心した。なんせ恋愛経験なんてないから、どう対応したらいいのか分からなかったし。
だからそらるさんが、恋愛感情ではなく"私"を好きだと言ってくれて、表せないくらい嬉しくて。冗談が、私を引き止める理由だったのも。
「…そらるさん…っ、まふくんっ…」
「「ん？」」
言っても、いいのだろうか。私の中で一つの感情が生まれる。
もし、もしここで歌い手として、"あすた"として活動している事を言ってしまったら、知ってしまったら
2人は、…"私"を。
少ないけれど、初期から支えてくれた大好きなリスナーさんは、"あすた"を。
…どう、受け止めるだろうか。
ここで言えば当然、ネット上での絡みがでるだろう。そして、…アンチも。
歌い手にアンチはつきものだ。目の前にいる2人にだってもちろんアンチはいる。
それが私によって増えてしまうのは嫌だ。…ううん、そんなの上辺だけの言い訳かもしれない。私は、私はあすたのアンチが増えることの方が怖い。
私はちいさい人間だ。だから、自分のことしか考えられない。小さい頃から、そう。
ああこんな時、
…母は、なんというだろうか。
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作者なにが書きたいのかわかりません自分でもわかりませんそして題名変えましたよろしくお願いします
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作者名：なえ | 作成日時：2017年9月14日 17時
