魔法雑貨《FairyMoon》 (ページ1)

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雑貨屋と見習い魔女ページ1

ようこそ魔法雑貨《FairyMoon(妖精の月)》へ

わたしは店主のムーキット

魔女見習い(ウァテス)の君はどの魔具に心惹かれたのかな？

「えっと...お師匠様のお使いで...」

そう言って小柄なローブ姿の
女の子はメモを恐る恐る差し出してくる

『それはご苦労さまです
ではそのメモお預かりします』

そう告げて右の人差し指を動かせば少女の
手にあったメモはふわりと宙に浮き
ひとりでにわたしの手元に飛んでくる

『ふむふむ,成る程
ではご注文の品を用意しますので
暫し店内でも見て待っててくださいね』

「はっはい！お願いします！！」

元気のいい彼女の返事を背に
わたしは店の奥へ注文の品を用意しに行く

改めてメモを見る
そこには古くから魔女の間で使われる
文字がズラリとならんでいる

魔女では無い為わたしではソレは読めない

奥の部屋は店に並べきらなかった
商品を置いておくバックヤードとなっており
無数に積まれた本や
たくさんの引き出しのある大きな棚
そして部屋の中心には細かな魔法陣の描かれた
テーブルクロスのかかった机が1つある

わたしは机の前に立つと
預かったメモを魔法陣の真ん中に置き
目を瞑り陣に手をかざし呪文を唱える

『探す物,探す時,探す人
求む物,求む時,求む人
汝呼び掛けに答え在るべき場所を示せ...』

呪文を唱え追えると
パチパチと音を立てメモが燃える
そして目を開きメモが燃えて出来た灰を
手で拾いあげて息を吹き掛ける

灰はキラキラと光る不思議な蝶へと
姿を変え四方に飛んで行き
棚の引き出しや積まれた本へと
全ての蝶が止まるのを確認する

そしてソレを見届けた後に
テーブルクロスをまた別の魔法陣の書かれた
テーブルクロスと交換する

それから蝶の止まった引き出しを開け
入っている薬草ペンダント型の魔具を
取り出したり魔術書を山の中から引き抜いて
テーブルの上に集めその商品に手をかざし
また目を瞑り呪文を唱える

『包む物,包む時,包む人
届くべき物が在るべき処へ留まる様に...』

そう唱えると
半透明な布の様な何かに集められた商品達は
包み込まれ元のサイズからは想像も
出来ないほど小さく纏まっていく

そして手のひらサイズにまで
まとまったところで
近くに置いてある本来明かりで照らす事に
使うランプの中にそれを入れ
ランプの蓋を閉めソレをもって店の方へ向う