理想の恋とは程遠い（黒×緑） (ページ48)

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彼は、私の心にずっとあった闇を、

持ち前の明るさと笑顔、

全てを包み込んでくれる優しさで

取っ払ってくれるような人だった

彼といるだけで、心が温かくなった。

ずっと一緒にいたいと思った。

「大好き」って、何度も私に、照れ臭そうに言ってくれた。

けど、本当に突然

「俺、アメリカに転勤になった」

と言った

急すぎて、声も出なくて、ただ呆然と彼の悲しそうな顔を見ていた

それから、たくさん考えた

これからどうしたいか

私なりに答えを出して、彼に伝えようと思ったのに、

もう遅かった。

彼は私に何も言わずに、アメリカへ行ってしまった

『別れよう』

ただひとことだけ書かれた、置き手紙を置いて…。

『私、日本で待ってるから』

伝えたかった想いは、届けることが出来なかった。

その日の夜、1人でいることが辛すぎて、

初めてバーに行った

酔って忘れられるものなら、

そう思って、浴びるようにお酒を飲んだ

「……鈴木？お前、こんなとこで何やってんの？」

「……横山さん……」

そこで出会ったのが、横山さんだった

横山さんと何を話したのか、覚えていない

けど、朝起きたらお互いに裸でベッドで寝ていた

その時に、やっと泣けた

今まで溜まっていたものが全部、涙となって溢れた

横山さんは、ずっと私の背中を撫でたり、顔中にキスをしてくれた

私の涙が枯れるまで、側にいてくれた……。