34 ページ34
お手洗いの鏡で自分の顔を見る
うっすらと目が赤い気もするけど、きっと誰にも気づかれないだろう
そろそろ戻らないと……
軽く化粧を直して、編集部へ戻った
「…鈴木！…大丈夫？」
部署に戻ると、横山さんが私に気づいた
今1番会いたくないのに……
「大丈夫です…。すみません…」
「ならええんやけど…。
大倉が、お腹壊してトイレ言うとったから…」
んん？？
お腹壊してトイレって！！！
バッて大倉くんの方を向くと、ニコって笑ってピースした
はあー！？
腹立つ！！
「…鈴木？」
「あ、すみません。ほんとに、大丈夫なんで…」
もう、恥ずかしい
恥ずかしすぎる…
逃げるように横山さんから離れた
「おい、大倉」
「なに〜？」
「もっとうまい理由あったでしょ！！？」
なんでよりによってお腹壊してトイレ！？
体調悪いのがまだいいわ！！
「やって、パッて思い浮かんだのがそれやったんやもん」
「ごめんてぇ」ってクシャッて笑いながら言う大倉くん
まあ、大倉くんのおかげで助かったから、今回は許そう
「先輩、飯行かへん？」
「はい？」
なにを突然言いだすんだ
「さっきのお礼として、飯行こうや」
自分からお礼とか言っちゃうんだ！？
けど、ほんとに助かったのは確かだし…
しょうがない、
「…いいよ」
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で言ってのに、やったー！！って大倉くんは大げさに喜んだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：machi | 作成日時：2017年10月9日 23時
