検索窓
今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:32,986 hit

33 ページ33

ああ、どうしよう……




ロビーで40代ぐらいの男の人がうろうろしてる



きっとあの人が、テレビのスタッフだ



案内しないと…




けど、足が動かなかった




手に握られた携帯と、さっきの奥さんの甘い香りがずっと残ってる



頑張れ、私



そう思っても、なかなか頭と体が追いつかない



すると、手の中の携帯がスって抜かれた




「大倉くん…」




横山さんの携帯を握って、



「あれがたぶんスタッフやろな〜」




「めっちゃ困ってるやん」少し笑いながら言う大倉くん




「俺が案内しといたる。この携帯も、俺が渡しとくから」



かがんで、私の顔を覗き込む




「奈央さんにはうまく言っとくから、泣き止んでから戻っておいで?」



涙を拭うみたいに、大倉くんの指が触れた



「別に…泣いてない…」




泣きそうだったけど、まだ泣いてないよ……




「んふ、素直じゃないんやから笑」



頭をポンポンされる



大倉くんの笑顔を見て、少しだけ心が落ち着いた





「ありがとう…」




お礼を言って、大倉くんから離れた

34→←32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:machi | 作成日時:2017年10月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。