33 ページ33
ああ、どうしよう……
ロビーで40代ぐらいの男の人がうろうろしてる
きっとあの人が、テレビのスタッフだ
案内しないと…
けど、足が動かなかった
手に握られた携帯と、さっきの奥さんの甘い香りがずっと残ってる
頑張れ、私
そう思っても、なかなか頭と体が追いつかない
すると、手の中の携帯がスって抜かれた
「大倉くん…」
横山さんの携帯を握って、
「あれがたぶんスタッフやろな〜」
「めっちゃ困ってるやん」少し笑いながら言う大倉くん
「俺が案内しといたる。この携帯も、俺が渡しとくから」
かがんで、私の顔を覗き込む
「奈央さんにはうまく言っとくから、泣き止んでから戻っておいで?」
涙を拭うみたいに、大倉くんの指が触れた
「別に…泣いてない…」
泣きそうだったけど、まだ泣いてないよ……
「んふ、素直じゃないんやから笑」
頭をポンポンされる
大倉くんの笑顔を見て、少しだけ心が落ち着いた
「ありがとう…」
お礼を言って、大倉くんから離れた
112人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:machi | 作成日時:2017年10月9日 23時