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「なんで昨日勝手に帰ったん?」



その口調は、怒ってるみたいだった




「なんでって……」




アキちゃんに帰れと言われたから




なんて言えない……



大倉くんがジッと私を見つめて、思わず目を逸らした



「なあ、答えて?」



「別に、いいでしょ。
それより、退いてよ」


距離が近い



私、ドキドキしてる



「嫌や。答えてくれるまで、離さへん」




そんなの言われても、答えられるわけない



どうしようって思ってたら、大倉くんが私の顎をクイッと上げた





絡まる視線



ドキン、ドキンってどっちの心臓の音か分からなかった




ゆっくり、大倉くんの顔が近づいた




押し返せばいいのに、それが出来ない




思わず、ギュッと目を瞑った



けど、なにも起こらなくて、不思議に思って目を開けると、


ニヤニヤと私を見る大倉くん




「ふふっ、可愛い」



!!!?



なに、もう!!!



ムカつく!!




「からかわないで!!」




「からかってなんかへんよ。ただ、今チューしたらマジで嫌われそうやもん」



やっぱりキスしようとしてたんだ!!!



もう、なんで私も受け入れようとしてたの…!?



「そろそろ朝礼始まりそうやし、行こうか」



頭をポンポンてして、私から離れた



そして、会議室から出て行く直前に私の方を振り返って、


「今度は2人でご飯行こうや、Aちゃん」



そう言って、パタンて扉が閉まった




また、ちゃん付けしてるし……



未だにドキドキしてる心臓



私、あの時、




大倉くんにキスされてもいいと思ってしまった





そんな自分に、嫌気がさす……

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作者名:machi | 作成日時:2017年10月9日 23時

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