理想の恋とは程遠い（黒×緑） (ページ21)

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スーツ姿のサラリーマンがアラサー女を追いかけるなんて、とても奇妙だと思う

頑張って走ってたんだけど、体力がなくなって、ガシッて腕を掴まれた

「もお……なんで……逃げるん……？」

はあっ…はあっ…って、お互いに息切れをする

「主役がなんでこんなとこにいるの？」

まだ歓迎会やってるはずなのに

「やって、Aちゃん居らんとつまらんやん。勝手におらんくなって、めっちゃびびったわ！」

「女性社員に囲まれて楽しそうにしてたじゃん」

そう言ったら、大倉くんはニヤニヤ笑って、

「なに～？ヤキモチ妬いてたん～？」

なっ！！？

「なわけないでしょ！？なんで私が大倉くんにヤキモチ妬くの！？」

「はいはい、素直じゃないんやから～」

めっちゃ素直ですけど！！！？

「Aちゃん、家どこらへんなん？」

しかも、さりげなくまたちゃん付けだし…。

もう指摘するのもめんどくさいから、まあいいや……

「もう夜遅いし、送ってったる」

「いや、いいよ。近いし」

「あかんよ。危ないやん」

「ほんとにいいから」

そっから、送るか送らないかのやり取りが数回続いて、痺れを切らして、

「じゃあタクシー拾って帰るから、ほんとに大丈夫」

そう言った

そしたら、大倉くんは一瞬とても悲しそうな顔をした