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大倉くんの髪はふわふわだった
下を向いてるから顔は見えないけど、んふって上機嫌に笑う声が聞こえた
「はい、直ったよ」
そう言うと、大倉くんはパッて顔を上げて、満面の笑みで
「ありがとう、Aちゃん！」って言った
「どさくさに紛れてちゃん付けするな」
「ごめんて〜。そんな怒らんといて！」
全然謝られてる気がしない
じろって睨むけど、それでもずっと笑ってる
「なんでちゃん付けあかんの？」
「私は貴方の上司だし、ここは会社だから」
そう言ったら大倉くんからの返事はなかったから、やっと納得してくれたと思ったのに、
「じゃあ、会社以外やったらええんやね！」
…は？
意味わからん
「会社以外で会わないでしょ…」
「そんな冷たいこと言わんといて〜。
これから先何が起こるか分からんやん」
私は大倉くんの考えてることが分からない
どうしてそんなに自信たっぷりなの？
その恐ろしいほど前向きなところが逆に羨ましいよ…
大倉くんと喋ってたら、スッて私のそばを横山さんが通る
「……あ」
今、絶対に目があったのに、横山さんは何も言わずに通り過ぎた
いつもだったら、おはようって言ってくれるのに…
遠くなる横山さんの背中を見つめる
その時、大倉くんが私のことを見ていたなんて、知る由もなかった
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作者名：machi | 作成日時：2017年10月9日 23時
